本気になって良いですか?
まおです。
その男がゲス野郎とも知らず、2回目のデートに誘われた私は、少々有頂天になっていました。
医師の中でも外科医って、なんかちょとカッコイイ感じ♡
テレビドラマの外科医のイメージで、白い巨塔とか医龍とかDOCTORS 最強の名医とか。
ただ現実の目の前のお相手は、ルックスは並み以下、ファッションセンスにあってはハテナマークが付くいでたちだった。
だってポロシャツにスラックスだったのだ。
当然ポロシャツはユニクロじゃなくて、有名メーカーの物だったけど、某ブランドのセカンドバックとはバランスが悪かった。
でもこのとき、30歳目前で最後のチャンスだと思って居た私の思考回路は、どこか壊れていた。
どんなに努力しても変えられないプロフィール上の条件、年齢・初婚・職業・年収は申し分なかった。
では、壊滅的なファッションセンスはどうだ?
ファッションセンスは努力すれば何とかなる。
なんなら、私がコーディネートしてあげよう。
そんな風に考えていた馬鹿女だった。
最初から裏切られてた
後に分ったことですが、この時、つまり私と最初のデートをしたとき、ゲス野郎は、既に3人の女性と深い交際をしていました。
そうとも知らず、ノコノコとやってきた馬鹿女が、簡単に罠に掛かったのです。
馬鹿女はこう考えていました。
お医者さんはモテるって言うけれど、顔面偏差値45じゃ、モテようもないだろう。
将来的に浮気の心配が無くていいや!
完全に脇が甘かったです。
お医者さんってモテるんですね。
年収が良いからですか?
当時の年収も悪くありませんでしたが、将来的なことを考えると・・・そりゃモテるか。
結論。
取りあえず医師と言うだけでモテるは正解。
綿密な計画
ゲス野郎のすごいところは、遠方で会えなかったひとりの女性をのぞいて、毎週3人の女性とデートしていたことです。
水曜日の夜の女。
金曜日の夜の女。
金曜日の深夜から土曜日午前の女。
日曜日は何をしていたのだろう?
ひとり暮らしだったから、1週間分の家事をしていたのかもしれない。
ゲス野郎の部屋は、いつも綺麗に片付いていたから。
テーブルの上には物ひとつ無く。
ベットは常に整えられ、枕の下には近藤さんがしのばせてあった。
台所には箸と茶碗とお椀と皿が2組ずつ。
さも当然のように置かれていたので、女の気配を全く感じさせなかった。
というか、馬鹿女の私は、元カノのが居たときに使っていた、古い食器類だと思っていた。
人間、堂々と置かれているものを見ると、疑う気持ちにならないもんだよ。
洗面所に置いてあった4本の歯ブラシを見ても、何とも思わなかったもん。
逆に2本だったら、怪しんだんだけどね。
ちなみに私は、金曜日の夜の女だった。