離婚の理由


まおです。

私が一樹さんに「離婚して欲しい」と伝えたのは、休みの前夜でした。

そのくらいの配慮(?)をする思考回路は残っていました。

離婚の話をした翌日に診察が入っていては、さすがの一樹さんも辛いだろうと思ったので。
 

離婚の話をしたときは、私はかなり混乱していました。

恐らく酷い状況の鬱状態だったのでしょう。

薬のせいか、たまたま鬱のサイクルだったのか。

とにかく、何もかも終わりにして楽になりたかったのです。
 

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一樹さんは離婚を承諾

『僕と離婚をしたら、まおさんは楽になるの?』

「うん」

『分かったよ。まおさんの気持ちが楽になるのなら離婚しよう』

「ありがと」
 

悲しくも何ともなかった。

ひとつ荷が下りた。

そんな気持ちだった。

しかし、嬉しいかと言われれば、嬉しくは無かった。

ただ、あんなに私の事を大切にしてくれた一樹さんに対して「ありがと」としか言えなかった自分を、冷たい人間だと感じた。

でも。。。どう思われてもいいや。

すぐにそう思った。
 

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結婚指輪は引き出しへ

一樹さんは、ソファーから立ち上がると、私が外した結婚指輪を、固定電話のテーブルの引き出しにしまった。

その時、初めて悲しいと感じた。

大切にしていた結婚指輪が、その瞬間にガラクタ扱いになった気がした。

固定電話のテーブルの引き出しには、ボールペンとメモ用紙しか入っていない。

そんな引き出しなんだよ。
 

その後、一樹さんはワインを開けて、一人で飲んでいた。

テレビも付けず、音楽も聴かず。

ただ、私の向かいに座って、何も言わずにワインを1杯、2杯と飲んでいた。
 

本来なら妻として

「何かおつまみ用意しようか?」

そう声を掛ければならないのだろう。
 

しかし離婚するなら、そんな気を遣う必要もないと思ったら、解放された気がして涙が出てきた。

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