結婚指輪
まおです。
私が自分の左手薬指から外し、テーブルの上に置いた結婚指輪。
それを一樹さんは手に取り、とても大事そうに握りしめて言った。
『まおさん、少し前に話をしたこと、覚えているよね』
「うん、覚えているよ。
私が前に “離婚したい” と言ったとき、一樹さんは、今回だけは聞かなかったことにするって言ってくれたんだよね。
でも、次に私が “離婚” を口にしたら、その時は本当に離婚だよって一樹さんは言った。
その話だよね。覚えてるよ」
『誰かに相談したの?』
「うん、既に弁護士さんに相談したよ」
『そうか・・・』
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短い結婚生活
一樹さんはソファーに座ったまま、目を閉じて、天を仰いでいるような姿勢を崩さなかった。
その様子を見ていた私は。。。何も感じなかった。
悲しくも無ければ、辛くも無くて。
早く一樹さんに『分かった』と言って欲しくて仕方なかった。
私の頭と心の回路はどうなってしまったのだろう。
自分でも涙ひとつこぼれないことに驚いていた。
もう、何でも良かった。
自分が自分で無くなっても良いと思った。
自分で居ることが、苦しくて仕方ないから。
他の誰かになれるのなら、それで良かった。
私と一樹さんの結婚生活は、約1年。
短かったような、長かったような。
でも、もうそんなことはどうでも良かった。
面倒くさい話はナシで、一樹さんに離婚の承諾を貰いたかった。
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大好きな一樹さんと離婚したいと思ってしまうくらい辛い状態なんですね。
一樹さんはどうしたらまおさんの気持ちを楽にしてあげられるかで頭がいっぱいだと思いますよ…。
やっと射止めたまおさんをそう簡単に手放すわけないと思います。
体調も精神的にもしんどくて一緒にいるのが辛ければ、一度実家に帰って休養して本当に離婚しても後悔しないかも試してみてはどうですか。
離れたらやっぱり会いたくなる…ってなるかもしれないですよ。
あと、お薬が強すぎてそう思ってしまうのかもしれないので、お医者さんにも相談した方がいいと思います。
ええええ!
ダメですよ!!本当は心の底では離婚したいなんて微塵も思ってないのに、愛情を試す様なことをするのは良くないです。
諸悪の根源は一樹さん側の親族が起こした過ちだし、それによってまおさんを病気にしてしまった贖罪から一樹さんだって責任を感じて大抵の行動は容認してくれるかもしれませんが、
やっぱり人間ですから、仕事が忙しい男性にそんなことばかり言うと時に鬱陶しくなるのも事実だと思います。
不安な感情が爆発したとしてこういうやり取りを一度はやっても一過性の事故として受け入れてもらえると思うし、関係性を確認する上でいいと思いますが、何度も繰り返すのはオススメしないです。取り返しのつかないことになってしまうような気がします。鬱が大変な気持ちは私も同じなので分かります。でも、絶対良くなると思うので、頑張りましょ!
実家で休みましょう、
今は心が疲れているだけなので大丈夫ですよ!
また考えれば変わるはずなので答えは出さないで良いですよ。