入籍記念日に
まおです。
オーベルジュの夜の出来事は、まだまだ話し足りません。
私の涙が止まって、気持ちが収まった頃を見計らって、一樹さんが言いました。
『まおさん、今こそ甘えろ!』
私は、最初、何のことか分かりませんでした。
『ほら、プロポーズした時に話しただろ?』
思い出しました。
一樹さんからプロポーズをされて、正式にお受けした時、二人で将来のことを話しました。
『まおさんは、僕に(夫となる人に)何を求める?』
突然のことで、答えに困ったのですが、直前の交際相手に(ゲス野郎)に4股をかけられた後だったので、素直に答えました。
「夫となる人には、誠実さを求めます」
それを聞いた一樹さんは、怪訝な顔をして居ました。
『あ、ごめんね、質問の仕方が悪かったね。誠実さって、恐らく異性関係に関してだと思うけど、浮気や生活費を入れないとか、そんな話じゃなくてさ・・・(笑)』
私は思わず、顔を赤くしてしまいました。
レベルが低すぎた・・・💦
婚前契約
「何でも良いの?」
『ああ、何でも良いよ。婚前契約だ』
「じゃぁね、甘えさせて欲しいの。ずっと年上の男性と結婚したいと思ってた。その理由が、甘えたいから。年上の人なら、甘えさせて貰えると思ったの」
一樹さんは嬉しそうだった。
『僕の得意とするところだよ。OK!引き受けたよ』
ヨーロッパでは婚前契約を覚書にしたり、契約書にしたりするけれど、日本では一般的ではありません。
私と一樹さんも、口約束の婚前契約でした。
でも、一樹さんは、それをちゃんと覚えていてくれたのです。
『まおさん、いまこそ沢山甘える時だよ。遠慮なく甘えてくれて良いよ!今ならワガママも許す。まおさんの気持ちが、少しでも楽になるのなら、いくらでも!』
言うまでもなく、私は再び泣いた。
一樹さんは『あ~、甘えても良いけど、泣くのはそろそろ止めない?(-_-;)』そう言って笑った。
一樹さんからの婚前契約
もちろん、一樹さんからも婚前契約があった。
お義母様のことだった。
マザコンを自称する一樹さん。
そんな一樹さんらしい婚前契約だった。
詳しく書こうと思ったのだけど、長くなってしまったので、また後日、機会があったら書こうと思います。
これも、一樹さんとの結婚を決めた理由のひとつです。
一樹さんの優しい人柄があふれる婚前契約でした。