眠剤を飲む
まおです。
昨夜、スタッフミーティングが終わったのは23時半頃でした。
疲れた様子で戻ってきた一樹さん。
『ごめんね、遅くなっちゃった』
そう言いながら、むぎゅって抱きしめられた(*^-^*)
「どうしたのぉ~」
『仕事を頑張った自分へのご褒美だよ』
「あぁ、そう(笑)」
随分と安上がりなご褒美だね(^_^;)
『もう遅いから、まおさん、先に寝ててね』
そう言いながらバスルームに消えていった。
私は、一樹さんがお風呂上がりに飲む冷たい麦茶を用意してから、寝室へ入った。
今夜は眠れるかな?
そう思って不安になった。
眠剤、飲んでみる?
新しい薬を試してみようか?
そんな気持ちになった。
朝方4時
眠剤を飲んで、ベットに入ったのは24時過ぎ。
一樹さんは、なかなかお風呂から出てこない。
ゆっくりお湯に浸かって、疲れを癒やしているのだろう。
明日の予定を確認するの忘れちゃったな。
何時に起きるのかな?
そんなことを考えているうちに、どうやら眠ってしまったようだ。
どのくらい眠っていただろう。
ふと目を覚ますと、辺りはまだ暗い。
ん?今何時だ?
枕元のスマホで確認すると2時だった。
変な時間に目が覚めてしまった。
眠剤飲んだのに、どういうこっちゃ?
眠剤効かなかったのかな?
そんなことを思いつつ寝返りを打った。
すると、隣に居るはずの一樹さんが居ない!
まさか、お風呂場で倒れてる!
まじヤバイ!
そう思って、ベットから飛び起きると、リビングに続く寝室のドアを勢いよく開けた。
『うわっ!何?驚いた!どうしたの?寝ぼけたの?』
何が『寝ぼけたの?』だよ。
こっちの方が驚くよ(-_-)
「ベットに居ないから、お風呂場で倒れてるんじゃ無いかと思ってビックリしたんだよ(-_-;)」
一樹さんは大笑いしていたけど、笑い事じゃない。
文句のひとつも言ってやろうと思った瞬間、テーブルの上のビールの空き缶に気付いて、言葉を飲み込んだ。
ビールなんて珍しいね
いつもワインをたしなむ一樹さん。
でもこの夜は、テーブルの上には、普段飲まないビールの缶が2本。
お友達の大地さん用に冷やしてあったビールだ。
「珍しいね、今夜はビールなんだ」
『たまには・・・ね』
「何かあった?」
一樹さんが私の事を何でも分かっちゃうように、私だって一樹さんの事がある程度は分かるようになった。
外では、結構飲んで帰ってくるけれど、家飲みの時はワイン2杯くらい。
でも、昨夜は350mlのビールを2缶空けていた。
その空き缶は握りつぶされて、テーブルの上に転がっていた。
ヤケ酒?
そんな飲み方に見えた。
『なかなか思うように進まない』
初めて一樹さんが弱音を吐いた。