眠剤戦争


まおです。

昨夜も一樹さんと、眠剤を飲むか飲まないかで喧嘩した。

二晩続けてだ。
 

ギリギリまで薬に頼りたくない私。
 

昨夜は、ソファーに座ってテレビを観ていたら

『まおさん、薬はもう飲んだの?』

そう聞かれたので、キッパリと

「飲んだよ」と答えた。

一樹さんに背を向けたまま、そう答えた。
 

すると一樹さんは、薬の入った

薬局の白い紙袋を持ってきて、

テーブルの上に中の薬をぶちまけた。
 

一樹さんは、眠剤の数を数えながら言った。

『まおさん、薬の数が合わないよ。飲んでないでしょ?どうして嘘をつくの!』
 

バレました。
 

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互いの気持ち

ものすごい剣幕で怒られました。

それはそうです。

飲んでもいない薬を、

飲んだと嘘をついたのですから。

でも、そのくらい飲みたくなかったのです。
 

『まおさん、どういうつもり?

病気を治そうって気があるの?

心配している僕の気持ち分かってる?

もしかして馬鹿にしてる?』
 

子供じみたことをしたと、反省しました。

馬鹿にしているのかと聞かれ、申し訳ない気持ちにもなりました。
 

「馬鹿にしてるなんて絶対無い。

一樹さんが心配してくれているのは良く分かるし、凄く嬉しい。

でもね、一樹さん入院したことある?

毎日、沢山の薬と点滴を打たれるんだよ。

副作用を抑えるために、追加でお薬入れて、また副作用が出て。

例えばね、食事が出来なくて治療してるのに、薬で胃が荒れて更に食事が出来なくなるんだよ。

お医者さんは「この薬で、そんなに胃が荒れるかなぁ」って言うけど、実際に痛くなるんだよ。

他の患者さんは痛くならなかったかもしれないけど、私は痛くなるんだよ。

「じゃぁ、お薬変えましょう」って、患者にとっては恐怖なんだよ。

今度は、どんな副作用が出るんだろうって怖いんだよ。

眠剤でどんな副作用が出るか分からないから、飲むの嫌だ。

これまで沢山の薬を、浴びるように飲んできたから、もう飲みたくない。

薬を飲むのが怖いの。

一樹さんには分からないよ。

その立場にならないと分からない。

飲め飲めって言われるのが、

どんなに辛いか分からないよ。

眠れなくても死なないもん。

だから眠剤は飲まない。」
 

自分の気持ちを一気に吐き出した。
 

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気持ちが通じ合わない二人

一樹さんは、私の言い分を黙って聞いていた。

私が話し終わった後も、しばらく無言だった。

そして一言『参ったな』と言った。

目を閉じて、頭を抱えているように見えた。
 

時々ため息をつきながら、なにも言わずに考え込んでいるようだった。
 

私も無言でいた。
 

お喋りな一樹さんを、黙らせてしまった。

ちょっと言い過ぎたかな?

でも、言ってしまった言葉は、引っ込められない。
 

暫くすると、一樹さんはテーブルの上に広げた眠剤を、薬袋の中に仕舞いはじめた。

そして引き出しの中にしまってしまった。
 

今夜は飲まなくて良いの?

嬉しいけれど、一樹さんは納得したのかな?
 

一樹さんがテレビを消したので、私も立ち上がって部屋の灯りを消した。
 

一樹さんが、そっと手を出したので、その手を掴んで一緒に寝室のベットに潜り込んだ。

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