読書の秋
まおです。
手つなぎデートから帰って来て、一樹さんはソファーで本を読んでいます。
スマホの普及で電子書籍が主流になりつつありますが、私も一樹さんも「本は紙で読みたい」と意見が一致しています。
ほんの些細な事なのですが、価値観が一緒って、結婚生活を送るうえで大事じゃないかなって思います。
一樹さんは歴史物が好きなようです。
しかし私は歴史物は苦手で、読む本のジャンルは全く違います。
お互い口には出しませんが「そんな本読んでるんだ」的な雰囲気が流れてます。
まぁ、それはそれで楽しいですが^^
白く細い指
リビングには柔らかな日差しが差し込んでいます。
一樹さんの表情は本で見えないのですが、本を持つ手の指がとても綺麗なことに気付きました。
スポーツマンで体を鍛えている一樹さんですが、指は白く細く繊細な感じです。
仕事柄、爪は綺麗に整えられています。
すっと伸びた細く長い指が、本のページをめくるさまが、とても上品で色気を感じます。
私、ちょっと変でしょうか?(´艸`*)
しばらく一樹さんの、本のページをめくる仕草に見とれていたら、思わず目が合ってしまいました。
『まおさん、どうかした?』
「あー、いや、紅茶でも入れようかなと思って」
『じゃぁ、お願いしようかな』
危ない危ない。
気付かれるところだったよ。
私、物欲しそうに眺めてなかったかな?
一樹さんの指が色っぽかったなんて、恥ずかしくて言えないよ。
身だしなみ
話は少しそれますが、婚活をしていると、多くの異性との出会いがあります。
その中で、初対面の印象って、すごく大事だと感じます。
人それぞれチェックする場所は違うと思いますが、私の場合はお相手の全体の雰囲気を見ていました。
「見る」というより「感じる」でしょうか?
上手く言えませんが、一緒に居て違和感を感じない人かどうかです。
その後で、髪型と靴や鞄を見ます。
無意識のうちに、清潔感をチェックしているんだと思います。
髪型は多くの男性が気を遣って綺麗にされていましたが、足元まで気が回らない方が多かったようです。
今でも記憶に鮮明に残っているのは、婚活をはじめて間もなく出会った、30代・研究職の院卒男性でした。
電話の印象も良く、年収も高く(笑)、期待してお会いしたのですが、初デートでリュックサック(?)を背負っていらした。
カジュアルがお好きなのかなと思っていたのですが、ポケット部分がほつれて穴が開いていて(-“-)
もしかして、気付いていないのかもしれないと思って、初デートの日は指摘せずに過ごしました。
しかし、その後、2回目・3回目のデートでも、同じリュックサックを背負っていらしたので、お断わりしました。
たかが「穴ひとつ」なんですが、恋が燃え上がる前の段階では、強力な消火剤となってしまいました。
しかし、逆を言えば、男性も女性を厳しくチェックしているのでしょうね。
一樹さんは、私の耳と爪を見ていたと言っていました。
ピアスと長い爪のマニキュアが嫌いなのだそうです。
一樹さんのチェックに合格して、今ここに居るかと思うと感無量です^^
話は元に戻って、私はキッチンでコーヒーを淹れ、一樹さんに出しました。
そして再び、本のページをめくる一樹さんの指に見惚れていました。
綺麗な指だな~(≧▽≦)
すると突然
『まおさん!!』
「はいっ!?」
『紅茶入れてくれるって言ってた気がするけど、これってコーヒーじゃぁ・・・』
「・・・・・」
また、やっちゃったな。
この週末は、私、良いとこナシだ。
もしかして私、欲求不満か?