大切な話?
まおです。
『まおさんに相談があるんだ』
そう言われ身構えた私。
『実はね・・・・・』
「うん。」
『実は・・・まぁ、また今度ね(^^;)』
おいおい。
こんな中途半端で『また今度ね』なんて
冗談じゃないよねぇ(-_-;)
「もう!ちゃんと話して!!」
そう言って今度は私が、逃げる一樹さんの腕を掴み、ソファーに座らせた。
『あのね、まおさん・・・』
おー、来た来た。
一樹さんが大事な話をする時の前置きだ。
フェラーリ?それともアストンマーティン?
一樹さんの話をちゃんと聞こうと、
まっすぐ一樹さんの目を見つめた。
『あのね、まおさん。
実は、○○○○を持とうと思うんだ。』
「ほ~ぅ。」
『ほ~ぅ?』
「も一回言って」
『○○○○を持ちたいなと思ってる』
一樹さんの言葉が良く聞き取れない。
恐らく車の車種だと思った。
(車に疎い私には分からない)
車が好きで、現在ポルシェの他に2台保有している。
一樹さんが一生懸命働いて稼いだお金だ。
好きな車を買うのは全然構わない。
でも合計4台は多すぎないかなぁ。
まぁ、それも一樹さんが決めることだ。
「うん、良いと思うよ^^」
『えっ?良いの?本当に??』
もの凄く驚かれて、逆に私の方が驚いた。
えっ?私、何か間違えた?
反対して欲しかったのかな?
そう考えていると・・・
『本当に良いの?何か質問はないの?』
そう聞かれたので、遠慮せずに聞いた。
「ブーインって何処の車?」
『車?はっ?なに車って?』
「ん?車を買うんじゃないの?」
『何言ってるの?ブンインの話だよ!』
「ブーイン?」
『違うよ!分院!』
ブンイン?
ぶんいん?
「ぶっ?分院!?」
デンタルクリニック分院
「分院って、クリニックの分院って事?」
『うん、そうだよ』
腰が抜けた。
交際を始めたばかりの頃、10名程だったスタッフさんは、現在20名を超えている。
積極的に歯科医師さんを採用し、
クリニックの規模は大きくなっていた。
なるほど、分院を持ちたかったのか。
全てに納得がいった。
あまりに突然の話で、正直パニクった。
分院なんて考えてもみなかった。
一樹さんが、ビジョンを説明してくれた。
けれど頭が真っ白で、全然耳に入ってこない。
「ごめんね、難しすぎて分からない」
『そうだよね。でも、まおさんの反対がなければ、話をすすめていきたいと思ってるんだ。』
既に、分院の開業に向けて、
各方面に相談しているようだった。
確定申告が終わってからも、
税理士さんが出入りしていたから
何だかおかしいとは思っていた。
最初に相談するのは私じゃないんだ。
それとも心配掛けまいと、全ての段取りが済んでから、最後に私の許可を貰えば良いと思ったのか?
上手く言えないんだけれど、
何だか寂しい夫婦関係に思える。
結局、賛成も反対も明言せず、
なんとなく話が終わってしまった。
これからどうなるんだろう。
ちょっと、いや、かなり不安。