リビングに独りぼっち
まおです。
お手伝いの山田さんは帰ってしまった。
一樹さんは、19時に最後の患者さんの
予約が入っているので遅くなるらしい。
リビングに、ぽつんと独り。
BGM代わりにテレビを付けて、
何とかこの静寂を紛らわそうとしている。
外はかなり風が強いようだ。
時折、ゴーッという台風のような音がする。
この風で、桜も散ってしまうかな?
そんなことを考えていた。
婚約指輪を眺めている
なんか寂しいので、引き出しから婚約指輪を
取り出して、独りで眺めていた。
初めて会った婚活パーティーの事とか、
初めてのデートの事とか、
初めてお泊まりした日の事とか、
懐かしく思い出していた。
この婚約指輪を貰った時のことも、
つい昨日のように思い出される。
ひと悶着あったもんな(^^;)
今でも、ことあるごとに
『まおさんと出会えて良かった。』
と言ってくれる一樹さん。
『もう結婚はしないと
思っていた時期もあった』らしい。
ここでふと気付いちゃったんだよね。
婚活を始めた理由
「俺が探してきた相手と
一緒になれば良かったんだ!」
そんな伯父様の言葉を思い出した。
もしかして・・・
一樹さんが婚活を始めた理由って。
伯父様の探してきたお相手が嫌だったから?
もしかして・・・
伯父様の言いなりになるのが嫌で、
大急ぎで婚活サイトに登録して、
私と一緒になったのかな?
入籍を急いだのも、そのせい?
あれあれ?れれれ?
私と早く結婚したかったからじゃなくて、
伯父様から逃れたかったから?
えっと、えっとぉ。。。そうなのか?
いやいや、愛されて結婚したんだよ。
自分で言うのも照れくさいけど、
すっごく大切にして貰ってるもん。
結婚前も、結婚後も。
それに、一樹さんのこと大好きだもん。
誰よりも大切な人だもん。
でも、なんだか微妙な感じ。
ちょっと悶々としてきた(-_-;)