過呼吸発作


まおです。

一樹さんと松浦さんは、経営者と従業員という間柄でしかなかった。

松浦さんも、私が今夜、一樹さんの自宅に居ると分かっていたら、訪ねて来なかっただろう。

悪意があったわけではないと思う。

運悪く顔を合わせてしまっただけだ。
 

でも、重箱の手料理持参だったことに、物凄いショックを受けた。

負けたと思った。

人生でこれほどの敗北感を味わったことはなかった。
 

しかし、いつまでもそんなことを考えていたって仕方ない。

一樹さんだって、すぐに重箱を返しに行ってくれた。

出来る限りの対応はしてくれたのだから、いつまでもグズグズ言うのは辞めよう。

そう思って、キッチンの一樹さんのところに行こうと立ち上がった。
 

変だな。

動悸がする。

手が震える。

ヤバイ

息が吸えねぇ~(´゚д゚`)
 

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息を浅く吸って、ゆっくり吐いて

リビングのテーブルに体をぶつけながら、崩れるように倒れたので、大きな音がした。

その音で異変に気付いた一樹さんが、大慌てで駆け寄って来た。
 

『まっ、まおさん、大丈夫!?』

「息・・・い・き・がぁ~」

『どうしたの?苦しいの?』

「吸えないぃ~」

『えっ?過呼吸?』

「い、い、いき、すえない」

『落ち着いて。大丈夫だよ。』
 

一樹さんは、私をソファーに引き上げて、一緒に呼吸をしてくれた。
 

『まおさん、浅く、ゆっくり息をしよう』

「す ぇ な ぃ ~」

『大丈夫。ちゃんと吸えてるよ^^』

「・・・・・」

『そうそう、浅く吸ってゆっくり吐こう』

お陰で10分程で無事生還した。
 

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パニック障害

過呼吸の経験がある方は分かると思うのですが、本当に死ぬかと思います(-“-)
 

『いつも過呼吸になるの?』

「3年振り、3回目だよ」

『病院は行った?』

「過去2回はパニック障害って言われたよ」

『お薬は?』

「飲んでない」

『過呼吸になるほど(松浦さんとの関係を)心配した?』

「そういうわけじゃないけど」

『一人で抱えないで、何でも話して』

「二人はお付き合いしていたんだよね?」

『松浦さんは仕事の出来る女性だよ。でも、それとプライベートは別だよ』
 

一樹さんは、松浦さんは医院に貢献してくれた人だから、悪くは言いたくないし、言わないつもりだったけれど、まおさんが誤解しているようだからと言葉少なに話してくれた。

『僕は男性として、どうしても彼女に同調出来ないことがある。だからお付き合いは絶対にない。なびいたりもしない』
 

同調出来ないこととは、つまり松浦さんが有責配偶者だったことにあるようです。
 

ここには詳しく書きませんが、恐らく皆さんが簡単に想像出来る原因です。

「貞操観念のない女性」

言葉が悪くてすみません。

一樹さんがそう言ったのではありません。

私がひと言で説明したかったので、そう表現しました。
 

思えば、一樹さんが人の事を悪く言うのを聞いたことがありません。

なので、私は一樹さんが松浦さんをかばっているように感じていたのです。

でも、これで納得できました。
 

「しつこく聞いてゴメンネ」

『僕の方こそ、悪かったよ』
 

そして仲直りのキスをした。
 

もう、今夜限りで松浦さんのことを
口にするのは辞めよう。

こんなつまらないことで
一樹さんと言い争いたくはない。

これで終わりにしよう。

仲の良い二人に戻るんだ。

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