スマホが鳴った
まおです。
今朝は早起きしてバタバタしていた。
9時に一樹さんの親戚のお宅に、お邪魔することになっていたからだ。
そう、仕事始めの日に、会社の会議室で私を無視した役員のご自宅に、お邪魔する約束になっていた。
朝食を済ませ、急いで身支度を整えた。
一樹さんがスーツで行くというので、私もスーツにした。
お化粧もキチンとして、髪はお辞儀した時に顔に掛からないよう、ひとつにまとめた。
手土産は前日に用意した。
和菓子が良いだろうと一樹さんが言うので、前もって、近くの和菓子屋さんに予約しておいた。
『まおさん!和菓子屋さんに寄るから、ちょっと早めに出るよ!』
「そうだね。あと10分くらいしたら出発した方が良さそうだね。」
そう声を掛け合いながら、準備をしていた。
すると、一樹さんのスマホが鳴った。
お義母様からの着信
『この忙しいときに誰だよ・・・』
そうブツクサ言いながら、スマホを手にした一樹さん。
『あれっ?お袋だ・・・』
思わず二人で顔を見合わせた。
嫌な予感がする。
『もしもし、母さん、どうした?
はっ?はっ?何だそれ??』
一樹さんは、訳が分からないといった感じで、何度も聞き直していた。
私は隣で聞いていたが、良く聞こえない。
ジェスチャーで「何?なに?ナニ?」と尋ねたけれど、一樹さんは私に聞かせたくないのか、寝室に入ってドアを閉めてしまった。
もしかして・・・
予感的中
程なくして寝室から出てきた一樹さん。
『まおさん、今日は中止だ!』
嫌な予感ほど良く当たるのは何故だろう。
ご親族の役員の方から、今日の約束をキャンセルしたい旨の連絡が、お義母様宛に入ったのだ。
ドタキャン。。。
それもお義母様経由って。。。(-_-;)
大人のすることじゃないよ。
思わず言葉を失ってしまって、返事も出来なかった。
すると大きな声で『まおさん、聞こえた?今日は中止だよ!』
そう言われて、慌てて返事をした。
「ほぃ!」
『まおさん、「ほぃ!」って返事はないよね(・_・)』
「ゴメン、、、」
ダイニングのテーブルに座り、しばし二人で頭を抱えてしまった。
もう手の施しようがない。
修復は不可能かな。
そう思った。
なぜ空気が読めないのかな。
どうして二人一緒に親戚宅へ行こうとするの。
まおさんあなた一樹家親族には、相当嫌われているって事を理解しているんでしょう。
なぜくっついて行こうとするかな。
ドタキャンの電話を一樹さんにすればいいものを、わざわざお義母様にするなんて相当な嫌われ具合ですよ。
ご親族は「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」の諺じゃないけど、まおさんと夫婦である一樹さんまで憎いんでしょうね。
最初から話し合う気なんてないんですよ。
ジタバタすればする程、お二人の首を絞める現状だと思います。
前にも言いましたけど、親族同士の結束は堅い。
親族を傷つけるような裏切りがあると、その報復は想像以上のものがあると。
だから親族同士がもめると、以前のような親密な関係には戻れません。