見知らぬ弁護士さん
まおです。
示談交渉にやってきたのは、初めてお会いする弁護士さん。
これまで伯父様側の弁護士は、一樹家企業の顧問弁護士のA弁護士さんが担当されていた。
しかし今回お見えになったのは、見知らぬ弁護士さん。
よくよく考えてみれば、伯父様はもう会社役員を辞任されたのだ。
逆に私は、現役の非常勤役員。
A弁護士さんが、伯父様の代理人弁護士を務めるのは、筋違いなのだろう。
今回お見えになった弁護士さんを、B弁護士さんと呼ぶことにした。
B弁護士さんは、50歳前後だろうか?
ベテラン弁護士さんといった風格が感じられた。
仕立ての良いスーツに、綺麗に磨かれた靴。
名刺の渡し方も実にスムーズで『敏腕弁護士』といった雰囲気だった。
伯母様も同伴
実は、B弁護士と一緒に、伯母様(伯父様の奥様)も見えた。
私と一樹さんに対して、深々とお辞儀をして一言謝罪をした後は、ずっとうつむいてB弁護士の隣に座っていた。
弁護士さんを探すのに奔走したのであろう。
憔悴した様子が見て取れた。
弁護士さんは、この場に来られない伯父様に代わって謝罪された。
そして示談に応じて欲しい旨を伝えられた。
危害を加えるつもりは無かった。
もちろん計画的では無い。
精神的に不安定だった。
本人は心から反省している。
だから示談に応じて欲しい。
被害届を取り下げて欲しい。
そんな内容だった。
示談に応じない
例え示談に応じたとしても、伯父様の罪が消えて無くなるわけでは無い。
しかし、被害者との示談が済んでいれば、被害者の許しを得られた(?)と判断されて、罪が軽くなるらしい。
だから示談しているかいないかは、非常に重要らしい。
もちろん示談になどしない。
一樹さんは、私の怪我の状態を説明した。
蹴られて頭を打ったことや、嘔吐したこと。
痛み止めが必要なほどの手足の裂傷。
精神的なショック。
何より、結婚式直前と知っていての暴行。
額や手の傷は、どうやっても隠せない。
一樹さんは静かな口調だったけれど、はっきりと伝えた。
『示談には応じられません。』
すると伯母様がポツリと言った。
「自分の叔父を警察に突き出すなんて、酷い話だわ。。。」
お前もか。。。
心の中で、そう突っ込んだよ。
伯母様は多少の常識のある人だと思っていたけれど、伯父様と似たり寄ったりだ。
自分の夫のしたことを、全く理解していない。
この伯母様の言葉を、途中でB弁護士が制止した。
そして即、フォローした。
「奥さん(伯母様のこと)も、混乱していらっしゃる。」
しかし一樹さんは、伯母様の発言も、B弁護士が伯母様をかばったことも、気に入らなかったらしい。
『監視カメラの映像をご覧になっても、示談にして欲しいなどと、勝手なことを言えますか?』
そう言って、パソコンを立ち上げて、監視カメラの映像を見せ始めた。
まおさん、辛い思いをされましたね。なんか、ほんとにびっくりしました。でも、旦那様が毅然としていらっしゃるから、安心できますね。素敵な旦那さまです。
一点、お願いがあるのですが。。。伯父と叔父では意味が違うので、登場人物が増えてしまいます。統一していただけないでしょうか? 記事を読んでいて、ちょっと混乱しています。すみません。
早く傷が癒えますように。心の傷も体の傷も。応援しています。