傷の手当て
まおです。
救急車で病院に運ばれて、診察や検査を受けている間に、一樹さんは警察官に事情を聞かれていたらしい。
しかし一樹さんは何も見ていないので、詳しい状況を説明出来ない。
私も気分が悪くて、話が出来なかった。
警察への事情説明は、翌日以降になった。
検査結果に異常がなく、傷の手当てをしてもらって自宅に戻ったのは、日付が変わった頃。
『まおさん、傷口を見せて。』
そう言うと、病院で手当てしてもらったガーゼを外しにかかった。
どうやら一樹さんは、病院での処置が気に入らなかったらしい。
おでこ、両てのひら、両膝と、順番にガーゼを取り替えてくれた。
手のひらの傷が一番ひどくて、えぐれたようになってしまった。
傷を丁寧に診ながら、まだ残っていた砂利をピンセットでとってくれた。
無言でガーゼを取り替えている一樹さん。
何で急に無口になる?
そんなに集中してる?
変だなと思って顔をのぞき込むと・・・目が赤いんだけど。
えっ?一樹さん、泣いてる?
まさかねぇ?
冗談ぽく言ってみた。
「男の子が泣いちゃダメだよぉ」
『まおさんに、申し訳なくてね。。。』
やっぱり泣いてたんだ。
防犯カメラは見た!
翌日、警察官の方が見えた。
伯父様が「自分は何もしていない」的な主張をしていたため、私への事情聴取と、ほかに誰か見ていた人は居ないか確認に見えた。
証人は誰も居ない。
あの場には、私と伯父様だけだった。
でもね、歯科医院の駐車場には、3台の監視カメラが回っていた。
防犯用に以前から取り付けてあったカメラで、3台のうち2台がトラブルの様子を録画していた。
バッチリとらえられた伯父様の行動は、もう、伯父様に何の言い訳もさせないほど、伯父様の暴力の一部始終を録画していた。
これ、YouTubeで公開したら、凄いんじゃね?
それくらいの衝撃映像が映っていて、怖くなった。
よくこの程度の怪我で済んだな。
命とられてもおかしくなかった。
そう思った。
叔父さんが退職されてから、こうゆう事が起こることを恐れていましたよね。
失う者が何もないって怖いですから。
これ以上エスカレートしないことだけが心配です。住まいは変えられないのですから。身を守る対策、して下さい。