我慢ならない

まおです。

また蹴られるのが怖くて、地面に伏せて両手で頭を抱えていた。

土下座をするような格好になっていたと思う。
 

そんな私の頭の上から、伯父様が怒鳴り散らす。

「お前みたいな、ろくでもない女はサッサと出て行け!」だの「財産目当てか?」だの「育ちが卑しい」だの。

私の両親の悪口まで言い出した。
 

一樹家のような名家ではないけれど、父も母もキチンとしている。

父は一代で大きな会社を築き、母はそれを支えた。

自慢の両親だ。
 

自分のことを悪く言われるのは我慢できる。

でも、両親の悪口を言われて、我慢ならなかった。
 

殴られても蹴られてもいい。

私は顔を上げ、伯父様をにらみつけて低い声で言い返した。
 

「言いたいことは、それだけですか?

今の、全部録音してます。

出るとこ出ますよ。」
 

そう言うと同時に、コートのポケットからスマホを取り出し、伯父様に向かって画面を見せた。

もちろん、録音なんてしていない。

でも、スマホを使えない伯父様に、そんなことは分からないだろうと思った。

スマホの画面を見せたら、案の定、ピタッと黙った。

でも、これが間違いだった。
 

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壊れたスマホ

その後、伯父様と私はスマホの奪い合いになった。

私の手から落ちたスマホを、伯父様が奪い、地面に叩きつけた。

よく覚えていないけれど「何するんですか!」とか「止めてください!」と叫んだ気がする。
 

この声が一樹さんに聞こえたらしく、玄関から一樹さんが『まおさん!!!』と叫びながら、飛び出してくるのが見えた。
 

『まおさん!!!大丈夫?』

一樹さんが抱き起こしてくれたが、立ち上がれなかった。

地面に叩きつけられ割れたスマホ。

そして私が怪我をしているのに気付くと、一樹さんも冷静ではいられなかったようで、伯父様の胸ぐらを掴みにかかった。
 

ここで一樹さんが手を出したら、とんでもないことになる。

そう思った私は、自分でもびっくりするくらいの大声で

『一樹さん、ダメ!』

そう叫んだ。
 

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救急車と警察

一樹さんは『警察を呼びます。』そう言って110番通報をした。

伯父様は逃げも隠れもしなかった。

「呼びたきゃ呼べ!」

そう言って、開き直っているように見えた。
 

警察を待っている間に、私が嘔吐してしまったので、救急車も呼ばれた。

転んだときに頭を打ったのではないかと心配した一樹さんが呼んでくれた。

救急車の中でも、再度嘔吐してしまった。
 

検査の結果、特に問題はなく胸をなで下ろした。

緊張と興奮で、嘔吐してしまったのかもしれない。
 

警察署で伯父様は、何も話さなかったらしい。

だんまりを決め込んだようだ。
 

翌日になって「俺の方が被害者だ」的な話をしたらしいが、言い訳できない証拠が残っていた。

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