お通夜
まおです。
お焼香だけ済ませて、すぐに戻って来るかと思っていたけれど、一樹さんはなかなか戻って来なかった。
30分以上はたっただろうか?
私は思いっきり泣いたので気が済んだ。
すると今度は心細くなった。
21時近くなって、駐車場には何台か車は停まっているけれど、人影は全くない。
葬儀場の真っ暗な駐車場でひとりぼっち。
見てはいけないものが見えそうで怖い。
何だか車の後部座席に誰か居るような?
孤独と恐怖で、再び泣きたくなった。
一樹さん、早く戻って来て。。。
そう思っていたら、遠くから一樹さんが戻って来る姿が見えた。
何で泣いているの?
『ごめんね、まおさん。お待たせ・・・
え~っ、何で泣いてるの?』
泣き止んではいたけれど、鼻の頭はトナカイのように真っ赤だった。
誰が見ても
泣いてたよね?
そんな顔をしていたと思う。
『なになに?何で?何で泣いてるの?』
一樹さんは、全く心当たりがなくて
『何で?どうして?僕、何かした?』
を繰り返していた。
実は翌日は、ブライダルアルバムの撮影日で、この夜は、式場近くのホテルに宿泊の予約を入れていた。
朝早くからの撮影なので、前乗りすることにしていたのだ。
とにかく話はホテルでしようと言われ、高速を飛ばしてホテルへ向かった。
ホテルに到着
ホテルの部屋で一樹さんは、私の話をちゃんと聞いてくれた。
話の内容は、また明日書こうと思っていますが、何より嬉しかったのは、一所懸命タオルで私の目を冷やしてくれたこと。
『泣き腫らした目で花嫁衣装を着ちゃダメだ。』
そう言いながら、私の目にタオルを当ててくれた。
普通の男性なら「そんなことで、いちいち泣くな!」と怒るかもしれない。
でも一樹さんは、ちゃんと話を聞いてくれる。
一樹さんと結婚しなければ、こんな辛い目に遭わなくて済んだ?
そうは思わない。
一樹さんと一緒になれて、心から良かったと思う。
「普通の男性なら」。その一言でまおさんがどんなに惚れているのかと頬が緩みます。相も変わらず元気をいただいております。まおさん。ふれふれ!