母が見ていた


まおです。

甘い夜になるはずのデートを自らブチ壊し、打ちひしがれて帰宅すると、玄関で母と鉢合わせした。
 

『あの車の人は誰?』

どうやら母は、私が一樹さんの車から下りてくる所を見ていたらしい。
 

バツイチというだけで、一樹さんとの交際を反対する母は、言ってみれば敵(?)だ。

今夜はツイてない。

しかし、母を無視するわけにもいかないし、一樹さんとの交際も認めてもらいたい。

ここは、ちゃんと説明しなくては。
 

「誰って、一樹さんだよ。

車で送って来てくれたんだよ。」
 

そう伝えると、母はとても驚いていた。
 

それはそうだ。

デートの度に、往復3時間かけて彼女を自宅まで送り届ける男性なんて、そうそう居ないと思う。
 

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いつから?

母が『いつから送ってもらうようになったのか?』と聞くので、「最初から」と答えた。

新幹線で帰るからとお断わりしても、心配だからと送ってくれることも伝えた。
 

『どんなお付き合いをしているのか?』

そう聞かれたが、答えに困る。

AとかBとかCで答えるならば、Aだ。

しかしそんな回答は求められていない。

なんと説明すればいいのか分からないが

「合鍵を貰うようなお付き合い」と伝えた。
 

母は『えっ?』という様な表情を見せた。

『そんな大事な鍵を持っていていいのか?』と非常に驚いていた。
 

母曰く、『自宅の鍵といっても歯科医院が併設されている。

その鍵で、直接、医院内に入ることは出来なくても、患者さんのカルテや薬剤や医院のお金の置いてある場所の鍵であることは間違いない。

そのくらい大事な鍵だと分かって持っているのか』と。
 

確かに、母の言う通りだ。

合鍵を貰って浮かれていた自分を恥ずかしく思う。
 

そして、母からはもう一つ注意された。

『今から帰ったら、家に着くのは23時を過ぎるだろう。

あの人だって、明日は仕事なんだから、もっと考えてあげなさい』と。

全くもって、母の言うとおりだ。

1ミリも反論できない。
 

『信頼して鍵を渡してもらったのなら、あなたもちゃんとしなさい』
 

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今夜の母は良いことを言う。

いつもは一樹さんのことを『バツイチの歯医者さん』と呼ぶのに、今夜は『あの人』と呼んだ。

これは、ほんの少しだけど、一樹さんのことを受け入れてくれたと思っていいのだろうか?

合鍵を返してこいとか、もう会うなというような事は一言もいわない。

逆に、一樹さんのことを『もっと考えてあげなさい』と言った。
 

デートの度に車で送って来てくれる一樹さんを見て、母の心が少し動いたのかもしれない。
 

バツイチを頭ごなしに否定していた母だけれど、これを機に交際を認めてもらえたら嬉しいな。

両親が反対しても関係ないって思っていたけど、出来るなら祝福されて結婚したい。

皆が笑顔になる結婚がいいに決まってる。

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