土曜日の夜が好き

土曜日

まおです。

独身時代は、土曜日は一週間のうちで一番忙しい日だった。

朝4時起きで局に出社し、2本の生放送と帯番組の収録を終えたら急いで帰宅。

休む間もなく、翌日のブライダルの仕事の準備をしなければならなかった。

真夜中まで仕事をしていた事もあった。

睡眠は移動中の電車の中。

だから土曜日は嫌いだった。
 

でも今は、のんびりと過ごす土曜の夜が大好きになった。
 

ホットレモン

翌日は休診日なので、土曜の夜は、一樹さんものんびり出来る。

二人で過ごす穏やかな時間は“幸せ”という言葉以外に、表現のしようがない。

正直、一樹さんと、こんな静かな時間を過ごせるとは思っていなかった。

いつもお喋りで、賑やかな人だから＾＾
 

今夜はホットレモンを飲みながら、ソファーで本を読んだ。

『まおさん、ハチミツ入れる？』

「ほんの少し入れる。」

『スプーン半分くらい？』

「ん～、3分の2！」

『難しい注文だねぇ～(^^;)』
 

特別、これといった話をするわけではない。

他愛もない事を話しながら、仲良くホットレモンを飲む。
 

おもむろに一樹さんがソファーに寝ころび、同時にソファーをトントンと叩く。

私に『ここに座って。』という合図だ。
 

一樹さんは、私の膝枕で本を読み始める。

首がくの字に曲がって、辛そうに見えるのだけど、一樹さん本人は『これが良いの＾＾』と言う。
 

暫くすると重くなるので、膝枕は終了。

次は私が、ソファーに座っている一樹さんを背もたれにして、本を読んだりテレビを観たりする。
 

二人の距離が縮まる

交際を始めた当初は、ソファーに座る時、二人の間に初々しい距離があった。

どの位置に座ればいいのかドキドキした。

近すぎても遠すぎてもいけない。

必要以上に意識しすぎて、何度も座りなおしたことが、今となっては懐かしい。
 

何がきっかけで膝枕をするようになったのかは、よく覚えていない。

しかし今は、当たり前のようにしている。
 

交際を始めた当初の様な、ときめきとか緊張感は無くなっていくのだろう。

でも、それと引き替えに、安心感というか、信頼感というか、これまでには無い特別な感覚が芽生える気がする。
 

結婚って、情熱的なモノかと思っていたけれど、どちらかというと静かに育んでいく感じかな？
 

二人でドライブに行ったり、スポーツジムに行ったりするのも楽しいけれど、こうして穏やかな時間を過ごすのも、また幸せだ。
 

一樹さんも、同じように感じていてくれたら嬉しい。

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