暖かい毛布


まおです。

病院から帰ってすぐ、ソファーに座り込み

そのままうたた寝をしてしまった。
 

眠っている間は、何も考えずに済む。

病んで入院中に、よくそうしていた。

あの時と似てるな。

そんな事を無意識に考えていた。
 

暫くして、何か気配がして目が覚めた。

リビングのドアが閉まる音がした。

ふと気付くと、体に毛布が掛けられていた。

時計を見ると16時半。

どうやら一樹さんが、診察の合間に

様子を見に戻って来てくれたらしい。
 

優しすぎて涙が出そうだ。

あまり心配を掛けちゃいけないな。

そう思って、起き上がって、少し早いけれど

晩ご飯の準備に取り掛かった。
 

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ピリ辛山椒鍋

一樹さんと夕食をとったのは20時過ぎ。

肌寒かったので、温まるようにお鍋にした。

鍋奉行の一樹さんが居るので、

私は食べることに専念出来る。

『ほら、まおさん。お肉に火が通ったよ!』

『シイタケも食べ頃だよ。』

『お豆腐取ってあげるから器を貸して!』

若干ペースが速すぎるけど、見事な仕切りだ。
 

〆は、うどんにして、さっぱりと頂いた。
 

食事を終えて、話を切り出したのは私だ。

「毛布、ありがとね。」

『はいよ。で、どうしたの?』

さすがに、診察室に医師以外の若い男性が居て嫌だったとか、内診台が止まる前に診察が始まったとかは言えなかった。

一樹さんだって、そんな話を聞かされても困るだろう。
 

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そこで、医師とのやり取りだけを打ち明けた。

「婦人科の先生がね、不妊治療を始めるなら、このタイミングが最善だと思うって。」

『そうか。それで?』

「治療しますかって聞かれたから、しませんって答えた。」

『うん、それで良いと思うよ。』

「そしたら・・・」

『そしたら?』

「“35歳を過ぎて子供が欲しいと言われても困りますよ。いいですね。”って言われた。」

『そうか。それで?』

「・・・・・。」
 

一樹さんに『それで?』と聞かれて困った。

それだけだから。
 

一樹さんは、不思議そうに私の顔を眺めていた。

私は私で、自分の気持ちを、どう説明して良いのか分からずにいた。

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