後悔の意味
まおです。
アルコールは強い一樹さんです。
飲んで乱れるということはありません。
でも酔いが回って来ると
「僕」は「俺」になり、
普段から大きな声が
より一層大きくなります。
そんな一樹さんの
『俺、後悔してる。
そう、コーカイしてるんだ!』
そう叫ぶ声がリビングに響いた。
私は言葉も出ず、フリーズしてしまった。
そんな様子を見て、大地さんは大慌てだ。
「この酔っ払い野郎。何ふざけたこと言ってんだ!」
そう言いながら、一樹さんの口を手でふさぎに行った。
すると一樹さんは、大地さんの手を払いのけながらこう言った。
『俺は、何でもっと早くまおさんと結婚しなかったのかって、後悔してんだよ!!』
何だ、そっちか(ノД`)・゜・。
大地さんは怒っていた。
「一樹、お前言葉の使い方、間違ってるだろう!それとも確信犯か?可哀想にまおちゃん、驚いてるじゃないか。。。」
でも一樹さんは、言葉の駆け引きを楽しんだわけではなかったらしい。
思ったことが、そのまま口から出ただけらしかった。
普段から愛情表現はストレートな一樹さん。
この夜は、お酒も入っていたこともあって、大地さんが居るにも関わらず、素直な胸の内を話してくれた。
『あの時、多少強引でもいいから、入籍すれば良かった。
そうすれば、もっとサポートしてあげられたし、叔父のことでまおさんを苦しませることも無かった。
まおさんが「結婚生活が楽しい!」って言ってくれるのを聞くと、何でもっと早く結婚しなかったんだって、後悔しかないよ。
もっと早く、まおさんに出会いたかったよ。』
何だか胸の奥がキュンとした。
大地さんも、無言で一樹さんの話に耳を傾けていた。
一樹さんはソファーに突っ伏したまま動かない。
男泣きしちゃってる?
そう思ったら、私もウルッと来た。
「もっと早くまおさんに出会いたかった」なんて言われたら、もう何も要らないよ。
もう感激して、誰も何も言わなかった。
暫くたって、一樹さんに声を掛けようとしたその瞬間・・・
一樹さんから寝息が聞こえて来た。
寝てたんかいっ!!
大地さんと一緒に、笑ってしまった(^^;)
一樹さんは大事な所で詰めが甘い。