あのスイートルーム
まおです。
オーベルジュに到着しチェックインを済ませました。
1年前のあの時と同じく、一樹さんの背中を見ながら、あの時のスイートルームへ。
一瞬で、1年前にタイムスリップしたような感覚に陥りました。
お部屋は、1年前と比べると、少し家具の位置が違っていましたが、落ち着いた素敵な雰囲気は変わっていませんでした。
デーブルの上には「ご結婚おめでとうございます」のメッセージと、乾杯用のシャンパンが用意されていました。
不意に一樹さんと目が合ってしまうと、何だかお互い照れくさくて。
二人とも無言で、しばしソファーで寛ぎました。
ソムリエ
レストランに移動して食事をしていると、1年前にワインを選んでくれたソムリエさんがいらっしゃった。
ソムリエさんは「お二人のことを、よく覚えています。」とおっしゃってくれた。
1年間の私の誕生日に宿泊した時、一樹さんがマイクの形をしたバースデーケーキを特注したので、記憶に残っていたらしい。
「お似合いのお二人だと思っていました。」そう言って下さったのが、お世辞でも嬉しかった^^
私はワインは全く分からないが、一樹さんはソムリエさんと話が盛り上がっていた。
『来年も、また来ます。』そう言って、食事を終えて部屋に戻った。
初めてのキッスは?
部屋に戻って、テラスで寛いだ。
1年前のあの時と同じ。
湖面に映る月灯りが美しい。
風が木々の葉を揺らす音しか聞こえない。
二人だけの為に、時間が流れているような気がした。
『何を考えてるの?』
そう一樹さんに聞かれてドキッとした。
「あの時のことを思い出してた(#^.^#)」
『あの時のこと?』
「そう・・・(●´ω`●)」
『何だっけ?』
え~、そんなこと、女性に言わせる?
そう思ったけれど、ワインも入って少々気持ちもハイだったので言っちゃった。
「このテラスで、初めてチュ~したなって・・・(#^.^#)」
すると・・・
『そうだっけ?』
はぁ~?そうだっけ?
信じられない!
そんな大事なこと忘れる?
『一樹さん、
それマジで言ってる?』