生活費の話
まおです。
退院して一樹さんの自宅に居候を始めた最初の夜。
『まおさん、ちょっといいかな?』
そう呼ばれて、リビングのソファーに座った。
『あのね、まおさん・・・』
おぉ!来たよ!
一樹さんが大事な話をする時の、
お決まりの前置きの言葉だ。
今夜は何の話だろう?
ちょっぴりドキドキしながら待っていると、一樹さんがテーブルの上に白い封筒を差し出した。
中身は現金だと、すぐに分かった。
生活にいくらかかるの?
『まおさんに、生活費として毎月〇〇万円渡すようにするね。その中で、やりくりして貰えるかな?』
取り合えず「はい」と返事をした。
でも生活費って、どこまで?
衣食住のどこまでだろう??
家賃は発生しないケド、固定資産税とかも?
生命保険とか車の管理費とか、どのくらい掛かるんだろう?
全てを賄うとしたら、〇〇万円では足りないと思った。
今、聞かないといけないと思って、ちゃんと聞いたよ。
「光熱費ってどのくらいみればいい?
生命保険とか医療保険とか自動車保険とかは?
税金関係って、どのくらいよけとけばいい?
他に定期的に掛かる費用って・・・
『まおさん、そんなに一度に言わないで・・・』
ちょっと必死になり過ぎた(-_-メ)
食費だけ?
『まおさんにお願いするのは“食”の部分だよ』
つまり食費と日用品などの雑費を、毎月渡す生活費の中でやりくりして欲しいと言われた。
なるほど、食費と雑費だけか。
一樹さんが言うには、ある程度のゆとりが持てる金額を渡しておきたいと。
節約や倹約も良いけれど、それよりも、必要なものにそれなりの出費をして欲しいと。
すぐにピンと来たよ!
以前、同じような見た目の、国産のブロッコリーと外国産ブロッコリーがスーパーにあった。
90円ほど値段の安かった外国産ブロッコリーを買い物かごに入れたら『国産にして』って怒られた。
『それなりの出費をして』とは、恐らくこの事だろうと思った(-_-メ)
一樹さんは、食品は必ず国産を買う。
野菜は有機野菜と表示されていれば、そちらを買う。
ワインは当然のように、外国産を買うのにさ。
あ、話がそれた。。。
一樹さんが決めてくれた生活費を単純に日割り計算すると、二人分の食費と雑費には十分な額だと思った。
結婚前に、ちゃんとお金の話をしてくれて、安心出来たし嬉しかった。
でも、白い封筒でお金を手渡しで貰うのって、なんか変な気分。
かと言って、毎月私の口座に振り込んでって言うのも違う気がするし。
皆、どうしているのかな?