大切にします。
まおです。
昨夜は、両親と一樹さんと私で、秋祭りを楽しんだ。
食事をしながら新生活のことを話したり、
他愛もない話題で盛り上がったり。
屋台が通れば身を乗り出して見物した。
夜も更けて来て、そろそろホテルへ移動しようと思った頃、一樹さんが言った。
『まおさんとの結婚を許して頂いて、ありがとうございます。まおさんを大切にします。』
ホロりと来た。
すごく嬉しかった。
感謝
ホテルへ移動中の車の中で、
一樹さんに謝っておいた。
「ごめんね。お母さんったら張り切り過ぎちゃって。。。お腹一杯になっちゃったでしょ?」
『うん。僕、5人前くらい食べたよね?でも、その気持ちが嬉しかったよ^^感謝しなくちゃね。』
本当に感謝しなくちゃいけない。
一樹さんを一生懸命もてなしてくれた両親に。
そして『感謝しなくちゃ』そう言ってくれる一樹さんに。
皆に感謝しなくちゃ。
思い出の場所へ
ホテルにチェックインを済ませると
『あの場所へ行ってみようか?』
どちらともなくそう言った。
あの場所。。。そう、一樹さんと初めて出会った、婚活パーティーの行われた会場だ。
エレベーターを降りると、すぐ目の前に、あの日、婚活パティーが開かれた会場があった。
会場の入り口の前にソファーが幾つかあった。
『あの日、僕はこのソファーに座っていたんだよ。パーティー開始時間ギリギリに駆け込んでくるまおさんを見て、すぐにあの子だって分かったよ。』
そうだったの?
確かに私はあの日、仕事終わりに大急ぎで駆け付けた。
会場前のソファーに、誰か座っていたかなんて、全く覚えていない。
「やだなぁ。髪振り乱して走ってたの見られてたの?」
そう言って笑い合った。
この日、会場は宴会は入っていなかったようだ。
大きな扉をそっと開いて、中の様子を伺う。
真っ暗で何も見えない。
目が慣れてくると、オレンジ色の絨毯が見えた。
『あっ、こんな感じだったね。』
「そうそう、ふかふかの絨毯だったよね。」
『サンドイッチを食べた記憶がある。』
「サンドイッチだけじゃないよ。唐揚げやらポテトやら、一樹さんてば沢山持ってきてバクバク食べてたよ!」
『そうだったかなぁ?』
婚活パーティーが、昨日のことのように思い出された。
あの日、私の人生が決まったんだ。