辛い提案
まおです。
一樹さんからの提案は、私にとって、とても辛いものだった。
仕事の予定で、スケジュール帳が真っ黒になるのが生きがいだった。
なかなか仕事が貰えなくて、アルバイトをしながら司会の仕事をしていた時期もあった。
やっと沢山の仕事の依頼が来るようになり、法人登記もして自分の会社を作った。
スタッフも集まってくれて、軌道に乗り始めたばかりだ。
一樹さんが言った。
『今ここで返事をしなくても良いよ。少し考えてみて。』
でも、私は即答した。
「一樹さんの言う通りにする。暫く仕事休むよ。」
仕事と健康
「まおさんも自分で分かってたよね。今の体調で仕事をするのは難しいって。」
一樹さんの言う通りだ。
自分でも分かっていた。
この状態で、これまで通り仕事をするのは無理だって。
気持ちがあっても、体が付いて行かない。
でも、自分で仕事を休むことを決断する勇気は無かった。
一樹さんにすすめられて、やっと休む決断が付いた。
すごくズルイ考えなんだけど、一樹さんがそうしろって言うからそうするんだ。
そんな言い訳をして自分を納得させた。
私は仕事をしたいけど、一樹さんがダメって言うからしょうがない。
なんか一樹さんに責任を転嫁するようだけど、そうでもしないと、辛くて決断出来なかった。
約束
一樹さんは、約束してくれた。
私の体調が良くなって仕事に復帰する時は、100%協力してくれるって。
専業主婦になってとは言わない。
私のしたいように、仕事をすればいいと言ってくれた。
ただ、それまでは、家に居てゆっくり過ごして欲しい。
昨晩みたいに、夕食を作って待っていて欲しい。
二人でゆっくり夕食をとろうと言ってくれた。
朝食も昼食も二人でとろうと言ってくれた。
病室で一人で食べる食事は味気ないけれど、家で二人で食べたら、美味しく食べられるよ。
そう言ってくれた。
そして今日、私はスケジュールの調整に追われた。