私の病気
まおです。
「一樹さんの言う通りにするよ。」
何も聞かないうちから、そう伝えた私。
『今夜のまおさんは、素直すぎて調子が狂う。』
そう言って一樹さんは笑った。
頑張って食べてるつもり。
医師の指示通り点滴も受けている。
ストレスを溜めないように工夫している。
それでも増えない体重。
増えないどころか減り続けている。
もうどうしていいか分からない。
一樹さんの言う通りにするしかない。
患者さんに説明するように
最初に、一樹さんは、今の私の体の状態について説明してくれた。
担当医の先生から聞いた事を、易しく噛み砕いて説明してくれた。
きっと一樹さんは、患者さんに説明する時、こんなふうに優しく丁寧に説明するんだろうなと思った。
説明の内容は大筋でこうだ。
検査の結果、悪いところはない。
ストレスの一言で片付けられるものではないけれど、重篤な病気はない。
婦人科系の疾患の治療で使った、ホルモン剤の影響もあるかもしれない。
でも、はっきり原因が分からない。
そう、原因が分からないのが一番困る。
治療のしようがないよね。
素人ながらに、そう思うよ。
そして一樹さんから提案があった。
『環境を変えてみようか?』
退院出来るの?
「環境を変えるって、また転院するの?」
『いや、退院して様子を見てみようか?』
「えっ!?退院していいの?」
ビックリした!
退院出来るなんて思ってもいなかったから。
そして、続けて一樹さんは言った。
『退院して、しばらくのんびりしてみようよ。』
「仕事を辞めるって事だね。」
『辞めるんじゃないよ。お休みするだけだ。』
「どのくらい?」
『少なくとも、半年とか年単位が良いと思うんだ。』
「・・・・・。」
私の思った通りの話の内容だった。
つづく・・・。