台風
まおです。
一樹さんと話としている間に、風雨は更に強まって来た。
『とにかくこれから病院に行くから。』
「こんな雨の中、危ないから来ないで。」
『気を付けて運転するから。』
「風にハンドルを取られて危ないから止めて。」
そんな押し問答をしているうちに、時間はどんどん過ぎて行った。
「もう、面会時間も終わりだから。病院にも迷惑掛けちゃうから。」
そう言って、一樹さんを納得させた。
正直言えば、一樹さんの顔を見たかった。
前日も会えなかったし、翌日も会えないと分かっていたから。
警察沙汰になる?
一樹さんの話によるとこうだ。
月曜日の夜、お義母様と叔父様の自宅に伺ったものの留守だった。
勿論、訪問することは連絡してあったが、叔父様がすっぽかしたらしい。
当初は、居留守を使われたかと思っていたそうだ。
仕方なく、お義母様を自宅に送る途中で、私の母から、一樹さんのスマホに電話が入った。
すぐに掛けなおすと、母が「叔父様が突然訪ねて来られて、まおに合わせて欲しいと言っている。入院中で自宅には居ないと言っても、信じてもらえない。」と。
どうやら父は留守だったようで、対応に困った母が、一樹さんに連絡をしたらしい。
お義母様も一樹さんも状況が分からず
『とにかく今からすぐそちらに向かいます。でも危険を感じたら、すぐに警察を呼んで下さい。』
時刻は恐らく20時頃だったろう。
夜で道路が空いていると言っても、私の実家まで車で1時間半近くは掛かる。
一樹さんとお義母様が到着するのが先か?
父が仕事から帰って来るのが先か?
叔父様は帰った後
一樹さんとお義母様が私の自宅に到着した時、既に、叔父様の姿は無かったそうです。
玄関のインターフォン越しに、叔父様と母が押し問答をしている真っ最中に父が帰宅し、なんとかその場は収まったようでした。
時間も遅かったようですが、一樹さんとお義母様と私の両親の4人で、1時間ほど話し合いをしたそうです。
とにかく、一樹さんとお義母様で、私の両親に頭を下げてくれた様でした。
しかし騒動はこれだけに留まらず。
一樹さんの弟さんも巻き込んで、更に大事になっていました。