往復3時間の愛情
まおです。
日曜日の披露宴の仕事は
一樹さんには内緒にしたかった。
でも
『お見舞いに行くから』
そう言われて白状せざるを得なかった。
お見舞いに来て
病室がもぬけの殻だったら
バレちゃう・・・もんね(--〆)
結局、一樹さんは、私の仕事終わりに
結婚式場まで迎えに来てくれて、
病院まで送ってくれることになった。
一樹さんの自宅からは
優に1時間半はかかるだろう。
台風が接近していて危ないから
家で休んでいてとお願いしたけれど、
『心配だから迎えに行く』と。
私も頑固だけれど、
一樹さんも言い出したら聞かない。
叱られて・・・
仕事が終わり、裏口から退館すると、一樹さんが待っていてくれた。
私の顔を見るなり
『まおさん、顔色悪いよ』と。
披露宴の音響が頭に響いて限界だった。
風雨の中、私が濡れないように
自分はずぶぬれになりながら
傘を差してくれた一樹さん。
嬉しいやら
申し訳ないやら
支えられて車に乗せられ、
そのまま病院へ。
車中で、延々叱られた。
言い訳する元気もなかった。
「ごめんね。今、頭痛い。」
そう伝えると、一樹さんは
『着いたら起こしてあげるから寝てなさい』
そう言って、無言で車を運転してくれた。
一樹さんと明さんが鉢合わせ!
病室に戻っても、気分は良くならず。
出された夕食も食べられず。
一樹さんがゴソゴソ始めたので、何をするのか聞くと『りんごを剥いてあげるから』と。
ナイフで手を切ったら大変(仕事で手を使うから)だから、自分で剥くと言ったのですが、器用に剥いて、私の前に並べてくれた。
リンゴをふた切れほど食べたあと、
いつの間にかウトウトしてしまった私。
事件はこの間に起こった。
何となく、病室の出入り口で
人の話し声がするなと感じていた。
一樹さんが対応してくれているようだ。
看護師さんかな?
薬剤師さんかな?
男性の声がするな?
担当医の先生かな?
そんなことをボーっとする頭で考えていると、一樹さんが戻って来た。
「耳鼻咽喉科の先生だった?」とたずねると、思いがけない返事が帰って来た。
『明さんって方だったよ
今日は帰ってもらったよ』
うわっ!
やっちまったよ!
明さんが来るのを
すっかり忘れてた!
明さんとは特別な関係ではない。
でも、鉢合わせは、まずかった!?
一樹さんは、明さんを病室内に入れなかった。
長くなりそうなので、
続きはまた明日にしますね。
いつもお読み頂きありがとうございます。
おやすみなさい。