命に危険を及ぼす暑さ
まおです。
病室から外を眺めると、陽炎が立っていた。
ニュースでは朝から気温が上昇し、40度に迫る勢いだと。
正に、命に危険を及ぼす暑さだ。
そんな中、一樹さんは、歯科医院の花壇の草取りをしたらしい。
よりによって、こんなに暑い日にだ(-_-メ)
昼過ぎにお見舞いに来てくれたものの
『なんだか頭痛がする』そう言って
椅子を2脚並べてお昼寝を始めた。
「もしかして熱中症じゃないの?」
そう心配する私を
『かもねぇ~』と軽くあしらう。
「今日は帰って、家でゆっくり休んで」
そう伝えたけれど帰らない。
私は自動販売機までスポーツドリンクを買いに行って、一樹さんに渡した。
一樹さんが体の不調を訴えるなんて、滅多にない事だから焦ってしまった。
でも1時間ほどお昼寝したら
『すっかり良くなった』
と言うので、ホッと胸をなで下ろした。
負担ばかり掛けてしまう
毎日忙しく仕事をして、
毎晩欠かさずお見舞いに来てくれる。
表面上は週休2日だけれど、
休診日も何かしら仕事がある。
私が健康だったら、草取りくらいはお手伝いできたのに。。。
全く役に立たなくて情けない。
役に立たないどころか、一樹さんの足手まといになってないかな?
一樹さんにばかり負担が行ってしまって心苦しい。
自分が仕事もしないで、涼しい病室でのんびりしていることに罪悪感を感じ始めた。
「ごめんね」より「ありがとう」
私は一樹さんに謝った。
「なんか、、、ごめんね」
『何で謝るの?病気になったのは、まおさんのせいじゃないでしょ?』
「いや、そうじゃなくて・・・忙しいのに毎日お見舞いに来てくれて・・・ごめんね」
『それなら「ごめんね」より「ありがとう」って言ってもらった方が嬉しいな』
どこまでも優しい人だ。
でも、優しすぎて無理してないかなぁ?
いまだに退院の話は全く出てこない。
それどころかお腹も痛いし。
いつになったら良くなるんだろうかと考えると、焦りというか不安というか、何とも言えない気持ちになる。
仕事も復帰出来ないんじゃないか?
私なんか必要とされなくなってるんじゃないか?
そう思うとたまらない。
何より、一樹さんにいつまで負担を掛けてしまうのだろうと思うと、言葉に言い表せないくらい辛い。
お粥ときゅうりのキューちゃんを食べられるようになっただけでは、退院出来ないみたいで悲しい(p_-)