目の前の景色はモノクロ
まおです。
結婚相談所の婚活パーティーで
一樹さんと出会ったあの日。
今でも、昨日のことのように思える。
アドバイザーさんに紹介されたのは、過去にお断りした男性だった。
アドバイザーさんから紹介された一樹さんのプロフィールは、記憶にあった。
「ん?以前、お断わりした方だ」
バツイチも職業も年収もお喋りな所も
個性的な一樹さんはインパクト大だった。
婚活パーティーの場で、即デートに誘われた。
そんな行動力に魅かれた。
一樹さんのペースで進んでいく交際。
正直、最初は「まぁ、悪い人じゃないし」くらいの気持ちだった。
ブログも書き始めていて「ネタになるな」なんて思っていた。
でも、ふと気が付いたら、
一樹さんのことを大好きになっていた。
こんなに好きになるなんて、
思ってもいなかった。
毎日が楽しくって輝いていた。
でも今は、全ての景色がモノクロだ。
一切の連絡を絶つ
叔父様とのトラブルがあって
婚約解消を決めてから、
私のスマホに一樹さんからの連絡はない。
一樹さんとお義母様が謝罪に来て下さった日程調整等は、全て、私の自宅の固定電話に掛かって来て、母が対応している。
交際中は、1日に何十本とLINEが入った。
しかし今は、毎日の恒例だった、
お昼のお弁当のメニューの報告もない。
『今日は、肉なしの肉じゃがだったよ』
なんてLINEが届いていた日が懐かしい。
鳴らないスマホを、5分おきに眺めてしまう。
メールの受信ホルダーも確認する。
うざったいスパムメール以外、
何も受信されない。
スマホ、壊れてる?(笑)
成婚退会したのに破局
結婚相談所の婚活パーティーで出会った私達は、既に成婚退会届を出していた。
確か、昨年のうちに提出している。
挙式・披露宴や入籍の日は決まっていなかったけど、二人の気持ちは変わらないと確信していた。
はっきり言って、今も、
私の気持ちは変わっていない。
一樹さんの事が大好きだ。
この先も、一樹さん以上の人に、
巡り合えるとは思えない。
一樹さんは、どう思っているだろう。
お義母様も「今一度、結納の品を受け取って欲しい」と言って下さった。
でも、父が不快感をあらわにした。
このままゆっくり時間が経過して、
人の気持ちは変わり、忘れられ、
全て過去の事になってしまうのだろうか。
私の人生において、最大の後悔だ。
もう嘆いてもどうしようもないけれど。
あの時に戻れたらー。
毎日、そんなことばかり考えてしまう。
一樹さんとは、縁がなかった。
そう思って諦めるしかないのかな。
そして、叔父様の代理人弁護士さんからの手紙を、このまま放置するわけにはいかない。
私と一樹さんの交際が終わっても、それだけでは許してもらえないらしい。