オーベルジュの朝
まおです。
ふと気付くと、外は明るくなっていました。
枕元のスマホで確認すると、既に7時を少し過ぎています。
起きなきゃ!
横を見ると、一樹さんはまだ眠っているようです。
そっとベットから抜け出し、急いでシャワーを浴び、お化粧と着替えを済ませて部屋に戻ると、一樹さんは眠そうな目をこすりながら、ベットに腰かけていました。
ま お「おはよう。」
一樹さん『おはようはいいんだけど、まおさん、お風呂とかシャワーとか長いよ~。』
ま お「そんなことないよ。」
一樹さん『昨夜だって1時間くらい入っていたでしょ?』
ま お「45分だよ。」
一樹さん『ひどいよ。待ちきれなくて眠っちゃったよ。』
ま お「ごめんね。」
一樹さん『夜中に触っても起きてくれないし。』
ま お「!!!」
あぁ?触ったって、どこをどう触ったんだよ!
一樹さん『変なことはしてないよ。頬っぺたを2~3回突いただけだよ。』
もっと、がっつり起こしてよ(--〆)
しかし、もはやそんなことで揉めている時間はない。
朝食の8時が迫っていた。
一樹さんも大急ぎで身支度を整え、レストランのテラスへ移動した。
絶景かな!
テラスからの景色は、まさに絶景でした。
昨夜の月明かりの景色とは、全く別の景色が広がっていました。
太陽の光を浴び、燦燦と輝く湖面。
水面から反射する光が眩しいくらい。
鳥のさえずりと、かすかに潮の香りも。
優しい風を感じながら、テラスで頂く朝食。
映画のワンシーンのような贅沢な時間です。
一樹さんのご機嫌も直ったみたいで本当に良かった^^
ここで一言添えておくと、私の長風呂には理由があります。
だって一樹さん、こう言ったじゃない。
ティファニーのダイヤのペンダント
朝食を終え、部屋に戻って荷物をまとめていると、一樹さんに呼ばれました。
昨夜、渡し損ねたと言いながら取り出したのはティファニーの小さな箱。
開けてごらんと言われ中を見てみると、ダイヤモンドのペンダントが入っていました。
シンプルなデザインで、どんなシーンにも合いそうな上品な輝き。
「わぁ、綺麗!」と声を上げると、鏡の前で私の首に付けてくれました。
『良く似合うよ。』と言いながら、頬っぺたにチュッ💛としてくれた一樹さん。
でも去り際に
『何で、まおさん、リップ塗っちゃうの。』
『キスも出来ない。』
『まおさん、隙が無いって言うか、ガードが堅いって言うか・・・#△&$”/!*〇$?×”$』
ええっ!また私のせいですか?
ガードが堅いどころか、昨夜は完全ノーガード&隙だらけでしたけどね。
ただ・・・
婚活リップは失敗した。
確かに、グロスをテカテカに塗っちゃったからな。
でもさ、朝食を終えて歯磨きしたら、普通、口紅塗っちゃうからね。
もうちょっと、その辺の女心は分かって欲しいよ。
それにしても一線を越えられないとは思ってもみなかった(^^;)