どこまで正直に話すか
まおです。
一連の一樹家お家騒動を、どこまで自分の両親に話そうか?
それが目下の悩みである。
叔父様に身元調査されたことは話した。
しかし、仲人を断られたことや、ご親戚の一部に披露宴出席を拒否されたこと、叔父様に無視されたことは話していない。
先週の木曜日に
「式場見学に行って、予約を入れてくる」
そう言って出掛けたのに、
予約は愚か、見学にも行っていない。
さすがに両親がしびれを切らした。
「結納はいつなんだ?」
「結婚式をするつもりがあるのか?」
「身元調査までしておいて」
そんな感じになってきた。
そうだ!嘘を付こう!
一樹さんに事情を説明してもらうのが一番良い。
だけど一樹さんは、今、ちょっとしんどそう。
叔父様との関係が悪化して、それに加え、私の両親が反対し始めたと知ったら、更に追い込んでしまう。
ここは少し時間を稼ぎたい。
そうだ!嘘を付こう!
足りない頭で一生懸命考えた。
誰も悪者にならないで、私の両親が「それは仕方ないねぇ」と納得する嘘。
思い付いたよ( ̄▽ ̄)
私「実は叔父様がね、体調を崩されの」
母「えー、それは大変。何のご病気?」
「何の?えっとね、まだよく分からないらしいの」
「検査中なの?」
「うん、手術されるかもしれないの」
少なくともこれで叔父様の体調が整うまで、結納の日取りが決まらなくても不思議ではない。
叔父様が仲人を辞退した理由も、体調のせいに出来る。
「でも、入籍は9月に済ませたいと思ってる」
私のこの言葉に対して、両親は賛成も反対もしなかった。
フラッシュバックする
実は、正直言うと、凹んでる。
それも結構、凹んでいる。
あの時もショックだったけど、時間が経つにつれて、一層悲しくなってきた。
叔父様が私の目の前を素通りしたあの時の景色が、不意にフラッシュバックするんだよね。
胸の辺りがキュ~ンってなって、何とも言えない気持ちになる。
一樹さんの事は、変わらず大好きだ。
でも、ふと思った。
この結婚、上手くいくのかな?
ちょっと自信がなくなって来た。
一樹さんは、いつも私の味方でいてくれる。
これは物凄く感謝している。
今回、公然と無視されたことで、非は叔父様側にあると分かって貰えた。
でもこの先、陰で嫌がらせをされるようなことがあったらどうしよう。
いちいち一樹さんに報告して助けてもらうのかな?
それとも自分で解決しなくちゃならないのかな?
ひとつひとつ考えていくと、正直、不安だらけだ。
どれだけの人が、私と一樹さんの結婚を快く思っていないのだろう。
例えば、一樹さんの弟さん御夫妻はどうだろう。
これまで一生懸命、ご実家の事業をされてきたはずだ。
にもかかわらず、ここに来て「長男が継ぐべきだ」なんて話が耳に入ったとしたら?
当然、良い気持ちはしないはずだ。
差し出されたリンゴをむやみに口にしたら・・・
冗談抜きで、そのくらいの恐怖を感じるよ。
既に、一樹さんのご実家に、私が伺うことは難しい。
婚活をする中で、相手のご家族とも仲良くやっていきたいと思っていた。
一樹さんと初めて会った婚活パーティーでも、そう言われていたのに・・・
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
何か解決策はないのだろうか?
考えても考えても答えが見付からない。
それどころか、どんどん闇の中に引きずり込まれるような感覚になる。
こんな状況で、こんな気持ちで、入籍をしていいのだろうか?
少しずつ不安になっていく。