私のプライド
まおです。
披露宴をしたくないと言う、一樹さんの為に会食を提案したのに。
『まおさんが、会食なんて言うから』って、どういうこっちゃ?
それに加え『披露宴って大事?』と聞かれ、悲しくなった。
私のプライドなんて、小っちゃくて、吹けば飛びそうなモノだけど。
それでも、ブライダルの仕事はプライドを持ってやっている。
価値観の違う人に、何を言っても無駄。
まぁね、一樹さんにしか分からない気持ちもあるだろう。
そりゃぁ「2回目」はしたくないって気持ちも、分からなくもない。
ちょっぴり諦めの境地だった。
いろいろ考えながら無言で居ると、一樹さんはウインカーを出して、コンビニの駐車場に車を停めた。
お手洗いでも借りるのかな?
不思議に思っていると、一樹さんが謝ってきた。
『ごめんね。とても失礼なことを言ってしまった』
私が不快に思ったのが、伝わったんだと思った。
「皆、考え方も違うから」
皆と言うのは、お義母様と一樹さんと私。
『まおさんの仕事を否定したんじゃないんだ。まおさんと僕が結婚するのに、披露宴は大事なのかなって思ったの』
「全然、大事じゃないよ。披露宴をしたいから結婚するんじゃないもん。でも、一樹さんが同棲しないのをケジメと言ったように、挙式も披露宴もケジメなの」
『ケジメか・・・』
「究極を言えば、結婚は二人だけの意志で成立するから、それを誰かに報告する義務はないよ。でも、あえて皆に集まって頂いて、夫婦の誓いを立てるんだよ。お義母様だって、認めてくれたから「披露宴をしなさい」って言ってくれたんだよ!」
長くなるので端折りますが、こんな感じのことを話しました。
すると・・・
『じゃぁ・・・
挙式と披露宴をしよう!』
「?!?!?!」
挙式・披露宴決定!
ある意味、プロポーズされた時より衝撃的でした。
助手席に座っていたけど、思わずのけぞって、窓ガラスに後頭部をぶつけちゃった(‘◇’)ゞ
披露宴をするって?
大丈夫?一樹さん?
この場の勢いで言ってない?
私に気を遣ったのか?
私のご機嫌をとったのか?
それもあるかもしれない。
でも、一樹さんがそう言うなら、それに従おう。
一樹さんが、譲ってくれるなら、そうして貰おう。
私が「ありがとう」と言うと
『お礼を言われることじゃないよ』
そう言って、照れ臭そうに笑った。
お義母様に報告
一樹さんは、その場でお義母様に電話をした。
『まおさんと相談して、挙式と披露宴をすることにしたから』
スマホから、お義母様の嬉しそうな声が、漏れ聞こえる。
電話を切った一樹さん
『たぶん列席者増えるな・・・』
新たな憂鬱のタネが出来たようだ(^^;)
私も、その場で母に知らせた。
母も、とても嬉しそうだった。
娘の花嫁姿が見られるから?
いや、ちょっと違う。
私の母は天然だ。
自分の好きな着物を着る機会が出来て、かつ、美味しいお料理が食べられると思ったのだろう(笑)
でも、どんな理由でもいいや。
皆が笑顔になれるなら^^
一樹さんが『お昼は美味しいものを食べよう!』と言うので、うなぎをリクエストした。
『まおさん、遠慮しないねぇ~^^』
「一樹さんに、遠慮する必要ないもん。特上を頼んじゃう!」
でもさ。
そこで悲劇が起きたんだ(-“-)