お義母様、それは強引過ぎますって・・・

眠れない

まおです。

翌日、一樹さんの自宅に「せとか」を届けることになっていた。

考えたら、緊張して眠れなくなった。

横で寝息を立てている一樹さんを起こさないように、そっと寝返りを打つ。
 

一樹さんの寝顔を見ながら「男の人は気楽で良いなぁ～」なんて思った。

結婚相手の親との関係を、こんな苦にすることはないだろうな。
 

お義母様は、よく喋る優しい方だ。

一度お会いしただけだけど。
 

でも「嫁としての点数」を付けられているに違いないと思うと、気が重くなる。

結構、そういうの気にするタイプなの私。

「気に入られたい」と思ってるから、余計に評価が気になるんだろうな。
 

ここだけの話。

私の中では、一樹さんの自宅を「本能寺」と呼んでいる。

あの本堂のような母屋。

長い廊下に、広いお庭。

それは、綾瀬はるか主演「本能寺ホテル」に出て来た本能寺とそっくりだ。
 

間違っても、お義母様が織田信長とは思っていない。

「敵」に回したくない。

仲良くしたい。
 

いざ行かん！本能寺へ！

翌朝は、6時前に目が覚めた。

『まおさん、早起きだね！！』

緊張して眠れなかったと言うと、一樹さんに鼻で笑われた(-_-;)
 

せとかを積んで、いざ出発！

車の中で気持ちを切り替え、自分のテンションを上げる。

お喋りなお義母様のテンションに付いていけるように、私なりに準備した。
 

一樹さんのご実家に着くと、お義母様が玄関先まで出迎えて下さった。

お義母様とは3週間ぶりの対面だ。

「こんにちは、まおです。」

そう挨拶をすると、お義母様は一気に喋り出した。

『いらっしゃい。待ってたのよ。さぁさぁ、上がって上がって＃△+◇％〇÷＠・・・・・』

そうだよね。

玄関先で失礼しますって訳にはいかないよね。

覚悟を決めた次の瞬間

『今日は予定があるから30分だけ』

お～、一樹さん！

ナイスフォローだよ＼(^o^)／
 

やらかすお義母様

お義母様は、嬉しそうに一樹さんと私を迎えてくれた。

美味しいお茶と、珍しいお菓子を出して下さって、一樹さんと3人で頂いた。
 

婚約指輪を決めたこと。

ウェディングドレスでブライダルフォトを撮ること。

その時に、お義母様と、私の両親も写真に入って欲しいこと。

そして、その日程の調整など。
 

和気あいあいとした楽しい雰囲気の中、先に、動いたのはお義母様だった。
 

「一樹、まおさん、会食の件なんだけど・・・」

おっ！そのお話、待ってました！

お義母様は、一度、隣の部屋に消えて、すぐに1枚の紙を持って戻っていらした。

そして、こうおっしゃった。

「出席者のリストを作ったの」

「皆には、もう声を掛けてあるわ！」
 

会食の出席者リスト？

なんじゃそりゃ？
 

嫌な予感がしながら、一樹さんと一緒に、リストを見て驚いた。

そこには31名の親族の名前が連ねてあった。
 

31名って・・・

もはや会食じゃないし！
 

お義母様って、天然？

それとも、意図的にやらかしたか？

恐らく計画的犯行だ！

確信犯に間違いない。

会食を披露宴にするつもりでしょ？

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