一樹さんの実家へ
まおです。
先週、予定通りに、一樹さんの実家へご挨拶に伺いました。
もう全てが想定外&規格外で、緊張と驚きでパニックになっちゃった。
何から書いていいか分からないよ。
とにかくグダグダで、やり直せるものなら、やり直したいくらいだ。
今更だけど、作法やマナーって大事だね。
カルチャーセンターの、マナー教室にでも通っておけばよかったよ。
和室でのご挨拶の仕方とか、お土産の渡し方とか、煎茶や茶道の作法とか、概要だけでも知っておくべきだったと後悔した。
本来なら、身に付けておかなくちゃならなかったんだろうな。
ネットで集め情報を読んだだけじゃ、全く役に立たなかったよ。
素敵なお義母で『緊張しないで普段通りでいいのよ』と言って下さったけれど、ガッカリさせちゃったかもしれない。
嫁としてやっていけるのかどうか、自信がなくなった。
婚活を始めると同時に、花嫁教室的な所も通っておけばよかった。
お寺ですか?
一樹さんの実家まで、車で30分。
垣根でぐるっと囲まれた敷地内へ、車のまま入っていった。
「えっ?一樹さんのご実家ってお寺だっけ?」と聞くと『はっ?まおさん、寝ぼけてる?』と。
だって、正面に見えるあれは、どう見たってお寺の本堂だ。
状況を呑み込めないで居ると、中から女性が出て来た。
一樹さんの、お母様だ!
とても若々しくて優しそうな方で「いらっしゃい」と声を掛けられた私は「初めまして。まおと申します」と挨拶をすると同時に、腰を90度曲げてお辞儀をした。
すると「ご丁寧にありがとうございます。私は山田と申します」と挨拶をして下さった。
えっ?一樹さんと苗字が違うんだけど?複雑な事情があるの?そんなの聞いてないけど?
慌てて一樹さんを見ると、至って普段通り。
プチパニックになっていると、奥からもう一人女性が出て来て『一樹の母でございます』と( ̄▽ ̄)
何ですと!?こちらがお義母様?
私は、再度自己紹介をして、おでこが膝に付くくらい(←イメージです)深々とお辞儀をした。
後で聞いたら、最初に出迎えて下さった女性は、お手伝いさんだと(ーー゛)
お寺のようなデカい家に住み、お手伝いさんまで居る?
ここで思い出した。
一樹さんと出会った婚活パーティーで、アドバイザーさんが言っていた「資産家のお坊ちゃんよ!」の言葉。
不作法でごめんなさい
正直、緊張して、広い玄関のどこに靴を脱いで、どうやって手土産を渡したか記憶にない。
小柄で着物をお召しになったお義母様は、上品な外見とは異なり、終始マシンガントーク。
間違いなく一樹さんのお母様だと思った。
喋り出したら止まらなくって、私は「はい」と「いいえ」としか答える隙を与えられない。
一通り話終わると、茶室に通された。
TV番組の「一流芸能人の格付け」を見て想像していた茶室とは異なり、何十畳という広いお部屋の片隅に炉が切ってあった。
掛け軸と座布団が敷いてあったので、座る場所は分かったけれど、そこまでどう歩いて行っていいのか分からない。
畳のヘリを踏んではいけないということ以外、知識がない。
困っていると、一樹さんが私の背中を押すので、つんのめるように歩いて座布団までたどり着いた。
薄茶(おうす)の頂き方も分からずにいると、「好きなように飲んでいいのよ」と。
一樹さんが横で教えてくれたので、そのまま真似をして頂いたのですが、感想を言って良いものか悪いものか分からず(/_;)
「作法なんてどうでもいいのよ。茶道の雰囲気だけ楽しんでもらえたら良いの。お付き合いして下さって嬉しいわ」
私は何も言えず、ただただ笑顔で返した。
『母は、気に入った人しか茶室に通さないから』と一樹さんに言われていたので、ここまでは合格だったのだろうか?
しかしこの後、一樹さんが、これからの予定を話し、お義母様に許可を貰おうとしたところで問題が発生した。
一樹さんは、可哀想なくらい動揺していた。