資格を取った
まおです。
「リンパマッサージの資格を取ったの」と言っても、いまいちピンと来ていないようだった一樹さん。
横になってもらうと、私は早速、一樹さんに施術を始めた。
『まっ、まおさん、大丈夫?』
私の体が大変じゃないかと心配してくれたのか?
それとも、何をされるのかという恐怖で、自分の体を心配したのか?(^^;)
どちらか分からなかったけれど、無視して施術は始まった。
最初は『え~、どうすればいいの?横になってればいいの?』と大騒ぎしていた一樹さん。
「体の力を抜いてくれないと痛いよ!」と伝えたら大人しくなって(笑)
段々と口数が少なくなっていったと思ったら、間もなく寝息が聞こえて来た。
リラックスして眠ってしまったらしい^^
好きな人の為に
途中、体勢を変えながらほぐしていく。
その都度、少し覚醒するものの、またすぐに寝息を立てていた一樹さん。
歯科医の仕事が天職と言う一樹さんだけど、やはり1日お仕事すると、体が疲れちゃうんだろうなと思った。
1時間ほど施術して、そのまま寝かせてあげたかったけれど、床に薄いマットを敷いただけの場所では寝かせられない。
そっと起こして、ソファーに座ってもらう。
続いては、腕と手のひら。
一樹さんの横に座って、右手も左手も丁寧にほぐしていく。
一通り施術を終えたあと、健康茶を淹れて二人で飲んだ。
泣いてるの?
「どうだった?」
私は一樹さんに聞いた。
すると突然、抱き付かれた。
なんだ?なんだ?と思って尋ねても、一樹さんは何も言わない。
更にギュ~っとされて苦しい。
何やら必死に手を動かして顔を拭っている。
へっ?泣いてる?
「どこか痛かった?」
『いや、体が軽くなったよ』
「そうか^^」
『ありがとう』
「どういたしましてぇ」
『僕は、本当にダメな男だ』
「どうしたの急に?」
『こんなにしてくれてたのに「僕のこと本当に好きなの?」なんて聞いた・・・』
「そうそう、あれはないよ~(笑)」
『ごめんね』
「泣かなくても・・・」
『泣いちゃいないよ』
「いやいや、泣いてるでしょ?」
『泣いてないし』
よく分からないけれど、とんでもなく感動して喜んでくれた一樹さん。
どうやら涙が出るツボ(そんなのある?)にハマったらしい。
正直、こんなに喜んでもらえるとは思ってもいませんでした。
頑張って資格を取得した甲斐があったな(^_-)-☆
プレゼントっていうと、すぐに形に残る物を考えがちだけれど、こんなプレゼントもアリですね。
いつも一樹さんに甘えて「してもらう」ばかりで何も返せなかったけれど、これから少しづつ「してあげられたら」と思っています。