どんだけ散らかってるのか?
まおです。
従業員さんの休憩室に一人残されてしまった私。
することもなくて、一樹さんのご自宅は、どのくらい散らかっているのだろうと考えていた。
男の一人暮らしだ。
1階の歯科医院の広さを考えると、2階もかなり広いと思われる。
仕事も忙しいとなれば、掃除をする時間も無いだろう。
モロモロ考えれば、部屋が汚くなるのも仕方ない。
逆に、一人暮らしの自宅がピカピカだったら「掃除してくれる女でもいるの?」と思ってしまう。
汚部屋でいいよ。
ゴミ屋敷でも構わない。
だから私以外の女性を自宅へ入れないでね!
もう、あんな思いをするのは二度と嫌だから。
起こそうか迷う
色々考えているうちに、あっという間に20分が過ぎた。
『20分たったら起こしてね。』と言われたものの、電話しようかどうか猛烈に迷う。
だって、疲れているのだったら、もう少しゆっくり寝かせてあげたい。
しかも、夕方からは飲み会だ。
そう思って、起こさないでいると、すぐに1時間が経過してしまった。
さすがに、そろそろ起こしてあげた方が良いなと思っていたら、2階から一樹さんが下りてきた。
『何で起こしてくれなかったの?』と怒っているみたい。
私は、疲れているように見えたから、ゆっくり休んで欲しかったこと。
お仕事仲間との飲み会で、楽しく過ごしてほしかったから、万全の体調で出かけて欲しかったことを伝えた。
するとすぐに機嫌が直って、嬉しそうだった。
意外に、素直なんだな。
その後、私は駅まで送ってもらい、一樹さんは予定通りに飲み会へ出かけた。
もう別れたのね。
自宅へ戻ると、リビングに母が居た。
私の顔をみると、母はこう言った。
『今日は(帰りが)早かったのね。そうか、もう別れたのね。良かったわ。』
私は無言で自分の部屋へ入った。
母の一言は私の心に深く刺さった。
今日一日の楽しい気持ちが一瞬で消えてしまった。
それからは部屋の外には一歩も出ず、考えを巡らせていた。
母にとっては、一樹さんの人柄以前に、離婚歴があるという事実が気に入らないのだと思った。
しかし離婚という事実は変えられない。
事実が変えられない以上、母を説得するのは容易ではない。
一樹さんは、このことを知ったらどう思うだろう。
それでも私のことを好きと言ってくれるだろうか?
それとも簡単に諦めてしまうだろうか?
答えの出ないまま時間は過ぎ、23時を回った頃、一樹さんから電話が来た。
『今ね、帰って来たよ。楽しかったよ^^』
一樹さんには、両親に交際を反対されていることは、内緒にしておこうと決めた。