お疲れ様
まおです。
一樹さんが事務仕事を終えて戻って来たのは、23時を回っていました。
ウェディングアルバムを見てショックを受けた私の気持ちは、既に落ち着いていました。
いつも通りの笑顔で、一樹さんを迎えれらたと思います。
「お帰りなさい!」
『遅くなってごめんね』
「ううん。お疲れ様でした^^」
『これで明日は、ゆっくり指輪を見て回れるよ』
「楽しみぃ!」
明日の予定を確認して、寝室へ。
アルバム見たでしょ?
ベッドに入ったのは日付が変わってから。
随分、遅くなっちゃった。
今夜は襲われるのか?(#^.^#)
それとも早く眠るのかな?ZZZ
尋ねるのも変なので、目を閉じで眠ったふりをして、一樹さんの出方を待つ。
なんとな~く気配を感じて薄目を開けると、目の前に一樹さんの顔があった(´゚д゚`)
「なっ、なに?驚いた!」
『あのね、まおさん・・・』
でたっ!
一樹さんの定番のセリフ。
こんな夜中に、何を言いたいのか?
「なぁに?」
『ウェディングドレスで写真撮るかどうか決めた?』
「うん、撮る」
何だか、自分の中で吹っ切れた気がしたので、撮ろうと思った。
『えっ!撮るの?』
「へっ?撮りたくないの?」
『いや、撮るけど、なんで急に?』
「何となくだよ」
『なるほどね』
「なるほどね?」
『まおさん、見たでしょ?』
「なっ、何を?」
ヤバイ!
アルバム見たことバレテマス?
一樹さんに真っすぐ見つめられて、思わず白状しそうになった私。
くるりと体の向きを変え、一樹さんに背中を見せた。
「もう眠いから寝るよぉ~」
私は、一樹さんの質問を完全無視して寝たふりをした。
『いつ見たの?』
(心の声)さっきだよ。
『何で見たの?』
(心の声)アルバムが私を呼んだんだよ。
『見ないって言ったのに』
(心の声)そうだっけ?
『怒らないから本当のこと言いな!』
「見~て~ま~せん!」
『まおさん、嘘つくの下手だね』
そう言うと、私の体に後ろから手をまわしてきて、ギュッとしてくれた。
理由は分からないけど、涙が出た。
別に、悲しくもないんだけど、後から後から涙が出て来た。
参ったな。
泣いてるのがバレたら、アルバムを見たって白状したことになっちゃう。
私は枕に自分の顔を押し付けた。
どのくらい時間が経ったか分からないけれど、しばらくしたら、一樹さんの体から力が抜けてくるのが分かった。
寝ちゃったみたい^^
何とか白状せずに逃げ切れた(?)とホッとしたのも束の間、全体重を私に掛けたまま眠りについた一樹さん。
相当重い”(-“”-)”
重いけど、何だか穏やかな気持ち。
黙って見たことはゴメンナサイだけど、気持ちが整理できたというか、気が済んだ。
それにしても、私の様子や声のトーンで、何でも分かってしまう一樹さん。
もう、一樹さんに嘘は付けないなと思った。