絶対に見せない


まおです。

一樹さんは、過去最高の動揺を見せた。

『何で?どうして?ここにあるのいつから知ってた?見た?見ない?どこまで見た?怒った?怒ってる?』

一度に聞かれても答えられない。

まずは、見つけた経緯を説明し、表紙だけしか見ていないことを告げた。

そして、勝手に見てしまったことを謝った。
 

その上で、アルバムの写真を見たいと告げた。

やっぱり気になるの。

見れば辛いだろうけど、見ないと気が済まないの。

見ても地獄。見なくても地獄。
 

一樹さんは言った。

『まおさんには絶対に見せられないし、まおさんが見るもんじゃない』

「そんなの百も承知だよ。それでも見たいんだもん」

『こんな所に放置しておいた僕が悪いけど、絶対に見せられない。これは玉手箱だ!』

「玉手箱?」

『開けると、まおさんがお婆ちゃんになっちゃう』

「はぁ?」
 

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玉手箱だって!?

「一樹さん、玉手箱の意味を知ってる?」

「秘密にして、容易には人に見せない大切なものって意味だよ!」

「それは一樹さんの大切なものなの?」
 

恐らく動揺した一樹さんが、言葉選びを間違ったのだろう。

パンドラの箱的な事を言いたかったのだと思う。

それに何で私がお婆ちゃんになるんだよ?

一樹さんがお爺ちゃんになるんだろうよ!

私も分かっていてもカチンと来てしまって、収拾がつかなくなった。
 

一樹さんは立ち上がると『絶対に見せられない』と言って、アルバムを高く上げる。

私は一樹さんに、よじ登らんばかりの勢いで「見せて」と迫る。

長身の一樹さんが高く手を上げれば、小柄な私には届かない。

そこでリビングまで椅子を取りに行った。

椅子に乗って、一樹さんの手の中にあるアルバムを取り上げようと思ったのだ。
 

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大地さんからの電話

するとダイニングテーブルの上にあった、一樹さんのスマホが鳴った。

大地さんからだ!

「大地さんから電話だよ!」

『まおさん、出て!』

後で掛けなおせばいいのに、今、この状況から逃げ出すための口実に、大地さんの電話に出てくれと言う一樹さん。
 

私は平静を装いながら電話に出た。

「もしもし、まおです」

「おっ、まおちゃん、元気?」

「ごめんなさい、今、取り込み中なの!」

「昼間から仲良いね♥」

「そーじゃないよ<`~´>」

「冗談だって。どうしたの?ご機嫌斜めじゃない?」

すると一樹さんが叫んだ。

『大地!助けて~ぇ』

「な、なんか、一樹がわめいてるけど、何してんの?」

大地さんに助けを求めるなんて、サイテーだ。

頭にきたので、大地さんに告げ口した。

「ウェディングアルバム見つけたの。はっぴ~うぇでぃんぐ いっき あ~んど こぉとぉねぇ~ って書いてあった!」
 

「Happy wedding? 一樹&琴音?」
 

大地さんは、一瞬考えた後、

大笑いした。

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