年末にも連絡があった
まおです。
見覚えのない番号は、一樹さんが以前、婚活サイトで交際をしていたお相手(あやかさん)からのものでした。
一樹さんは、私の目の前で、毅然とした態度で応対をしてくれたので、私は、何も聞くつもりはありませんでした。
ちょっと驚きましたが、事情はなんとなく察することが出来ましたし、もう電話が掛かってくることはないだろうと思ったので。
しかし一樹さんは『まおさんに誤解されたくないから』と言って話し始めました。
実は、年末にも一度、LINE(メールだったかな?)で連絡があったそうです。
「お元気ですか?婚活順調ですか?」といった内容だったそうです。
返信しようか悩んだそうですが、結局、返信せずにそのまま時間が過ぎてしまったそうです。
そして、この日(水曜日)の夜22時前の電話。
この時間帯に掛けてくるのは、一樹さんの生活時間帯を把握している人だと思いました。
休診日の前日の夜のこの時間帯は、一樹さんが一番リラックスしている時間帯だと知っている人です。
恐らく、ある程度のお付き合いのあった女性でしょう。
一樹さんの話によると『まおさんと出会う前に、1~2ヶ月程お付き合いしていた女性』だそうです。
恐らく、去年の初夏の頃の話だと思います。
『まおさんに交際申込をして断られた直後に、あやかさんから交際を申し込まれてお付き合いが始まった』そうです。
『お付き合いと言っても、食事に行ったり、ドライブに行ったりするだけで、自宅(歯科医院)に招いたことは無かった』と。
『とても素敵な女性だったけれど、どうしても、まおさんの事が頭から離れなくて。あやかさんとの交際をお断わりして、アドバイザーさんに、まおさんに会えるようにお願いした』
『複数交際という選択肢は無かった。あやかさんに対しても、まおさんに対しても失礼になるから』と。
なるほど、一樹さんらしいなと思いました。
想いを断ち切れない
恐らく、あやかさんは、一樹さんから交際お断りの連絡を受けた後、一樹さんの連絡先を削除出来なかったのでしょう。
婚活をしていく中で、それはルール違反に違いありません。
でも一樹さんは『そんな彼女を悪く言う気持ちになれない』と言います。
『僕だって、ルール違反をした。一度断られたまおさんに対して、アドバイザーさんを使って再度アプローチしたんだ』
『断られたからと言って、はいそうですかと簡単に想いを断ち切れるものじゃない』
『あやかさんが、もしそんな気持ちで連絡をしてきてくれたのなら、本当に申し訳ないと思う』
『でも、僕の気持ちは、もう変わらない』
一樹さんの真剣な気持ちが嬉しかった。
と同時に、あやかさんの切ない気持ちを想像して、泣きそうになった。
お会いしたこともない女性だけど、あやかさんにも良いご縁がありますようにと、心から思った。