朝イチの喧嘩
まおです。
翌朝は、カーテンの隙間から差し込む、太陽の光で目が覚めた。
私は、相変わらず、一樹さんに背を向けたまま寝ていた。
背中で一樹さんの気配を感じる。
『まおさん、起きた?』
「うん」
後ろから、ギュッと抱きしめれられた。
『今日はどうしようか?』
「う~ん・・・」
『スポーツジムに行く?』
「なんかさ、辛いんだよね」
『まだ昨夜のこと怒ってるの?』
「昨日のこと?」
『いつまでへそを曲げてるの!』
そう言うと、一樹さんは、さっとベッドから抜け出して、寝室を出て行ってしまった。
そっか、昨夜、女性の車で送ってもらったことで、私がまだ怒っていると勘違いしたんだ。
そうじゃなくて、体が辛いんだよね。
私の言い方が悪かったな。
怒らせちゃったかな?
まずいな。謝りに行かなきゃ。
そう思って、重い体をベッドから起こした。
でも、頭が回らないし、動けない。
「消えてしまいたい」そんな気になる。
もう、ため息しか出ない。
うつっぽい?
ボーっとベッドに座っていると、寝室のドアをノックする音が聞こえた。
一樹さんが、そ~っと入って来る。
どうしたのかな?
そう思っていると、スッと私の隣に座ってこう言った。
『まおさん、もしかして、うつっぽい?』
「へぇ?」
『気分的なモノかな?』
「うつって、鬱?」
『お薬飲んでるせいかな?』
「やだやだ、うつなんかじゃないよ!」
『先生から説明無かった?』
「無い無い。それにうつじゃない!」
『いつから?』
うつなんて、冗談じゃない!
寝起きが悪いだけだよ!
そう思って、立ち上がって身支度をしようとすると、腕を引っ張られて、再びベッドに座らされた。
『この間の電話の時から変だと思ってたんだよ。さっきは、声を荒げてごめんね』
「絶対、うつじゃない」(/_;)
『そうだね。うつじゃないね。うつっぽいだけだ』
「うつっぽくも無い」( ノД`)シクシク…
薬の副作用?
リュープリン注射の時は「死にたくなったら or 脱毛が始まったら治療中止」と言われていたけれど、ジエノゲスト服用に際しては、特に副作用の説明は無かった。
ただ、先生がチラッと「この薬もどうかな?」的なことは言っていた。
後からググったら、うつの症状にぴったんこ当てはまったのだが、一樹さんに指摘された時は、全力で否定した。
「これ以上、病気の数が増えて、一樹さんに迷惑かけたくない」
だの
「うつになったら捨てられる」
だの
「うつだったら別れる」
だの、散々わめいた。
今思えば、精神的に不安定だったのかな?
でも一樹さんは、忍耐強く聞いてくれた。
そして『そうだね。うつじゃないし、うつっぽくも無いね。だからまおさんのこと、捨てないし、別れないよ。それでいいかな?』と。
「うん、いいよ」←何故か上から目線の返事
『ついでに聞くけど、朝食は、目玉焼きが良いかな?スクランブルエッグが良いかな?』と私を笑わせる。
だから遠慮なく「ゆで卵に、味の素かけて食べたい」とリクエストした。
二人でキッチンに立って、お鍋の中でふつふつと踊る卵を見ながら10分過ごす。
不思議だけれど、起きて活動を始めると、朝起きた時の「消えてしまいたい」的な気持ちはなくなる。
気持ちが沈むのは、朝起きた時だけ。
その後は、いつも通り日常生活を送れる。
婦人科系の疾患にプラスして、うつなんてことになったら、婚活や結婚どころじゃなくなっちゃう。
それに、これ以上、一樹さんに心配や迷惑は掛けられない。
だから、気合で治す!
ところで、うつって、気合で治るモノなのか?
でも、これ以上、飲む薬を増やしたくないから、やっぱ気合で治すしかないな。。。
気合だ!
気合だ!!
気合だ!!!
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