ホスピスって


まおです。

華さんから「近くホスピスに行く」

そう告げられて全てを理解した私。
 

ホスピスがどういう所かは知っていた。

でも、今、目の前に居る華さんが?

ホスピスに行く?
 

確かに、病室を訪ねても眠っていて

お話出来ない日は多かった。

だけど、今、目の前にいる華さんは、

顔色も良く、とても元気そうに見えた。
 

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羨ましい

「まおさんには、未来があって羨ましい」

その言葉が重かった。
 

これまで華さんと過ごした時間の中で、

華さんの病気も、私の病気も、

「治る」ということが前提だった。

だから無意識に「元気になったら」とか

「退院したら」とか、話をしていた。
 

「早く治して9月に入籍したい」

そんな話もしていた。
 

華さんも早く退院して

「まおさんの結婚式に出席する」

そう言ってくれていた。
 

いつも明るく接してくれていた華さんの

病状を知らなかったとはいえ、

私はなんて思いやりのない人間だったろう。
 

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全ての事に限りがある

「この世の終わりみたいな顔しないで!」

華さんはそう言って、いつもの様に笑った。

私の背中をバシバシ叩きながら

声を上げてケラケラ笑った。
 

「ホスピスに行くのは自分で決めたの。

ホテルみたいに綺麗な部屋なの。

消灯時間もないし、24時間自由に過ごせて

宿泊も出来る。まおさん泊まりに来て!」

まるで旅行に行くかのように

楽しそうに話してくれた。
 

[全ての事に限りがあるんだよ。

私はちょっと早かったけどね。

今はもう、後ろを振り返っている時間も無い。

だから毎日楽しく過ごす事だけを考えてる。

まおさんと友達になれて良かったよ。]
 

そう言って笑ってくれた

華さんの笑顔はもうない。

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