ピンクのパジャマ
まおです。
前にも書きましたが、華さんのお話は、
個人が特定されない様に書いています。
華さんの病室を訪ねるのは、
午後の時間帯が多かったと思います。
最初のうちは、華さんが私の病室を
訪ねてきてくれたのですが、
次第に辛そうになって来た感じがして
私が率先して訪ねるようになりました。
華さんのトレードマークはピンクのパジャマ。
「ピンクのパジャマ、何枚持ってるの?」
そう尋ねると「数えたことない」って^^
ピンクは華さんのラッキーカラー。
ピンクのパジャマを着て採血した日は、
良い検査結果が出るんだって(^-^)
明るい華さん
華さんは、いつも明るかった。
点滴の針を3度刺し直した話も、
華さんが話すと、お腹がねじれるほど
面白くて涙が出た。
「看護師さんとの相性がある」は、
何となく理解出来るけれど
「針を刺す瞬間に、ウインクすると良い」
ってのは、どうなんだろうか?
そう思いながらも、ついつい試してしまう私。
すると不思議!
1発で刺さるし、痛くない!
気がする。(笑)
羨ましい
いつも明るかった華さんが、
一度だけ、とても悲しそうな顔をした。
今でも忘れられない、その表情。
あの時、何も言葉を掛けてあげられなかったことが、今でも悔やまれる。
その日は、デイルームで話をしていた。
私は、転院が決まったことを
華さんに報告した。
その場で連絡先を交換し、
お互いに頑張ろうねと約束した。
「まおさんが、羨ましいな・・・」
華さんから、この言葉を聞くのは2度目。
転院先を一生懸命探してくれた
一樹さんの事を言っているのだと思った。
私は正直に言った。
「彼には、すごく感謝しているの」
すると華さんは答えた。
「彼のこともそうだけど・・・
まおさんには、未来があって羨ましい」
私は、華さんの言っている意味が
良く分からなかった。
そして次の一言に衝撃を受けた。
「私、近くホスピスに行くの」
ショックだった。