自分のした事は、正しかったか？

浮気とか不倫とか

まおです。

『旦那に、女性が居るかもしれない』

麻理子ちゃんの突然の告白に、胸が痛みました。

「思い過ごしじゃないの？」

『月に何日か、帰って来ない日があるの』
 

見覚えのないハンカチやネクタイ。

肌身離さず持っているスマホ。

車の助手席に落ちていた髪の毛。
 

詳しくは書けません。

でも、まず間違いないだろうと思います。

女の勘は、悲しいほど良く当たる。

私も、身をもって体験している。
 

『どうしたらいいかなぁ？』

そう言って麻理子ちゃんは、深いため息をついた。
 

私の場合

私も4股掛けられた過去があるから、裏切られた時の辛い気持ちが分かった。

今更、あの時のことを振り返る必要もないけれど、次から次へと思い出された。

電話に出ない時間帯がある。

同じ曜日、同じ時間のみのデート。

毎週、彼のマンションに行くのに、一度も泊めてもらえない。

4本の歯ブラシ。

お風呂の排水口の長い髪の毛。

他の女性との鉢合わせ。

別の女性と、海外旅行から帰宅したところを待ち伏せして修羅場。

相当、辛い思いをした。
 

でも、彼氏に裏切られるのと、夫に裏切られるのでは、その傷の深さは比べ物にならないだろう。

ましてや小さな子供を抱えて、お金の心配もしなくちゃならない。

未婚で子供も居ない私には、何の励ましもアドバイスもしてあげることが出来ない。
 

「ごめんね。なんて言って良いか分からないよ」
 

簡単に「そんな男とは別れなよ」なんて無責任なこと言えない。

かと言って「子供の為に我慢しなよ」なんて言うのも違う。
 

「生活費のことも、外泊のことも、よく話し合ってみなよ」

そんなありきたりのことしか言えなかった。
 

必ず返すから

麻理子ちゃんは、借用書を書くと言って、便箋を用意していた。

でも、断った。
 

「人にお金を貸すときは、返って来ないと思え。あげるつもりで渡せ」と両親から言われていた。

借用書があったって、返って来ない時は来ないんだ。

返って来ないからといって、取り立てるつもりもない。

だから借用書は要らない。
 

これが正しいかどうか分からないけれど、麻理子ちゃんから借用書を貰おうなんて気持ちにはならなかった。

それに彼女なら、何年掛かっても返してくれると思った。
 

冷たい風に吹かれながら、自転車で帰って行く麻理子ちゃんを見送りながら、とてつもなく悲しくなった。

同時に、会った事の無い彼女のご主人に、無性に腹が立った。
 

そして、お金を貸した自分が、正しかったのかどうか？

今でも分からない。

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