婚活で四股した男
まおです。
婚活での同時進行。
何人かのお相手と同時期にお会いしながら、一番のお相手を探す。
それは決して悪くないと思う。
むしろ一般的なことだと思う。
でも深い関係になったのなら、そのお相手ひとりに絞ってお付き合いするべき。
それが常識だろう。
でも、この私の常識が通用しなかったのが、元カレのゲス野郎だ。
間違いなくブ男の部類(不細工な男)で、口数も少ない(話し下手)。
だから油断していた。
まさか4人の女性と深い仲で同時進行していたとは。。。
いや、最終的に5人らしかったが、5人目の女性を特定することは出来ずに終わっていた。
結局、ゲス野郎は四股掛けていた女性のうちのひとりと「授かり婚」をした。
当時は大きなショックを受けたけれど、今となっては別れて正解だったと思う。
南さんの反応
私は、その日のうちに南さんに電話をした。
電話の向こうで、南さんが動揺している様子が分かった。
どうしてそんなに動揺するの?
もう終わったことじゃない?
しかし考えてみれば無理もない。
私とゲス野郎の交際期間は5ヶ月程。
でも南さんは1年半以上交際していた。
旅行に行ったり、指輪をプレゼントして貰ったり、具体的な未来を想像していたに違いない。
私は一樹さんと出会えたけれど、南さんはまだ運命のお相手には巡り会えていない。
自分はゲス野郎のことを、完全に過去の出来事にしていたけれど、南さんは消化し切れていない部分があったのかもしれない。
南さんは言った。
「ねぇ、仕返ししてやらない?」
復讐
「仕返しなんて言わないでよ!」
「だってさぁ、酷いと思わない?四股掛けといて、そのうちのひとりとサッサと結婚しちゃうなんて」
「もうあんな男と関わるの止めようよ」
「じゃぁ、まおさんは、何で私に教えたの?」
「別に、南さんに仕返しさせようと思って連絡したわけじゃないよ」
「そうかなぁ?まおさんだって、本当は悔しいんでしょ?」
南さんは、まだ忘れられずにいるのかな?
そう思った。
裏切られて悔しい気持ちを、忘れられないでいるのか?
それとも好きだった気持ちを、忘れられないでいるのか?
どっちなのだろう。
「ねぇ、復讐してやらない?」
「それだけは止めようよ」
今更、復讐も何もない。
もう終わったことだと思っていたのは、私だけだったのだろうか?
南さんは、心の中に傷を抱えていたのだろうか?
ゲス野郎との件から、既に2年が経過している。
ついこの間のように思えるけれど、もう2年も経っているんだよ。
もう、本当に終わりにしようよ。