まおです。
南さんから、私達を騙した元彼(ゲス野郎)に復讐する為、尾行を手伝ってほしいと懇願され、迷いに迷った。
もう関わりたくない気持ちと、出来るものなら復讐してやりたいという、相反する気持ち。
そして、私が断っても、南さんは探偵事務所に依頼して、尾行してもらうだろうという確信。
私は、南さんに、ある交換条件を出した。
合鍵を渡して
「ねぇ、今日、彼の部屋の合鍵を持ってる?」
突然の私の質問に、目を丸くした南さん。
持ってるよと言いながら、バックの中から取り出した。
私は、その合鍵を取り上げ「この鍵を私に渡してくれるなら、1回だけ尾行を手伝うよ」と伝えた。
南さんは驚いて、一瞬、不機嫌そうな表情を見せた。
しばらく黙り込んだ後「分かった。でも、その合鍵は捨てないでよ。まおさんがちゃんと管理しておいてよ」と。
具体的な復讐計画
私達は、この後の段取りを考えた。
決行日は、次の日曜日。
ゲス野郎のこれまでの行動パターンを考えると、女性とのデートは、同じ曜日の同じ時間と決まっている。
スケジュール通りに動くのが好きらしい。
とは言っても、複数交際が解消された今、デートのスケジュールがランダムになっているかもしれない。
しかし、ここまで来たら、出たとこ勝負だ!
ゲス野郎の婚約者に、会えるか会えないかは運次第。
もう、神様次第だ!
日曜日に、私が南さんと合流できるのは、仕事の都合で、夕方4時過ぎ。
そこで、南さんにレンタカーを借りてもらい、夕方4時過ぎにJRのA駅まで迎えに来てもらう。
その後、ゲス野郎の自宅マンションに張り込んで、夕方、女性(婚約者?)を送って行く後を尾行する。
恐らく、JRのA駅に女性を送っていく可能性が高いので、私がA駅まで車を運転する。
A駅で女性が彼の車から降りたら、その後の尾行は南さんに任せる。
南さんの考えは、途中で女性に声を掛け、話が出来る場所に移動し、ゲス野郎がこれまでしてきたことを暴露するという。
そして、不誠実な男だと分かってもらった上で、婚約解消をするように忠告するという。
南さんの思うとおりに、計画が進むかどうかは分からないが、通常の神経の女性なら、突然、知らない女性から声を掛けられて、そんなことを聞かされたら動揺するに違いない。
何だか気の毒な気もするが、考えようによっては親切か?
誰だって、そんな不誠実ゲス野郎と結婚したいだなんて思わないだろう。
結婚前に、不誠実男の正体を知ることが出来て、むしろ私達に感謝して欲しいくらいだ。
とにかく、次の日曜日に、全ての決着をつけたい。