まおです。
車の中での話し合いは、全く進みませんでした。
子供のように押し黙った彼と、彼のことを全く許せない南さん。
いつまでも謝罪しない彼にしびれを切らし、南さんは車を降りてしまいました。
「私は、絶対に貴男を許さない」そう捨て台詞を残して・・・。
足元に残されたバックと謝罪文
南さんは、車から少し離れたベンチに座ってスマホを操作していた。
あれっ?南さん、自分のハンドバックはどうしたのだろう?
ふと気付くと、私の足元に南さんのバックが置いてあった。
なるほど。
彼との会話を、録音しろという事か。
ならば、大きな声で会話しよう。
私は彼に、謝罪文を持ってきてくれたか確認した。
彼は、ちゃっかり用意してきていた。
一刻も早く、この騒ぎを終わりにしたいのだろう。
彼は、謝罪文を私に渡そうとしたので、私は「大きな声で、読んで聞かせて欲しい」と注文を付けた。
一瞬戸惑った様子を見せたが、ここは私の言う通りにするしかないだろう。
内容は、大まかこんな感じだ。
・複数交際をしていた
・不誠実な行為を謝罪する
・迷惑料として〇万円支払う
ぼそぼそ声で、ちゃっちゃと読み終えた彼。
謝罪文を茶封筒にしまったかと思ったら、ルイ・ヴィトンのセカンドバックの中から銀行の封筒を出して、謝罪文と一緒に私の前に差し出した。
私は受け取りにサインをした。
それと同時に、探偵事務所の調査報告書を渡した。
ビックリするくらい事務的で、あっけなかった。
残るは南さん
問題は南さんだ。
私は、車に戻るように合図をしたが、南さんは気付かないのか戻って来ない。
彼が、南さんと話をしたいというので、仕方なく呼びに行ったのだが、南さんは断固拒否した。
今、話をしないと、今後、話をする機会があるかどうか分からないと言っても動かない。
車に戻って、彼に南さんの様子を伝えた。
彼はひと言「南さんは、何をするつもりだろう」と。
そんなこと私に聞かれても分からない。
私は彼に、とにかく今夜、誠心誠意謝っておかないと後悔するよと伝えた。
彼は、車を降りて、南さんの座っているベンチに歩いて行った。
それに気づいた南さんは、大きな声で叫んだ。
『それ以上、近づかないで!頭を下げたくらいじゃ、絶対に許さない。私は、まおさんとは違う。お金なんかで騙されない!』
まさに、泣き叫ぶと表現するのが正しいだろう。
まおさんとは違う。
お金なんかで騙されない。
南さんの言葉に、私は、それなりに傷ついた。
別に、お金が欲しかったわけじゃない。
もう、私には、南さんを止められない。
彼には、電話でもメールでも、手を尽くして、直接、南さんと話をするように伝えた。
彼は、駅まで送ると言ったが、断った。
あの状態の南さんを、車に連れ戻すのは難しい。
何より、無言の車中は、地獄より恐ろしい。
彼が帰ったあと、私達は、タクシーを呼んで駅まで戻ることにした。
しかし、日曜の夜、それも近所の花火大会で、道路は混み、タクシーはなかなか来なかった。
薄暗い公園で、蚊にたかられ、一生忘れられない夏の夜となった。
お疲れ様でした。
色々大変でしたね(;_;)
心身共に疲れ果てました。
お酒は飲めないので、美味しい物をたくさん食べて憂さ晴らし?します^^