まおです。
事実は小説よりも奇なり
本当にそう思います。
茫然自失というか、
現実のこととは
到底思えない自分が居ます。
誰も、この結末を想像できないでしょう。
恋敵?南さんとJRの駅で合流
ようやく彼の自宅マンション前で
南さんと鉢合わせした現実を
受け入れられるようになった。
恋敵と表現するのが正しいのかな?
彼が、私と南さんのどちらを選ぶのか?
そんなことばかりが気になった。
それにしても腑に落ちない。
一体、彼はどこに消えてしまったのか?
私とはまだ5か月弱のお付き合いだけど、
交際1年半の南さんにも連絡をしないなんて。
考えても考えても分からない。。。
そうこうしているうちに、南さんとの
待ち合わせの時間が近づいて来た。
日曜日(昨日)の20時に待ち合わせた。
私は、早めに待ち合わせ場所に行ったのだか
既に、南さんは到着していた。
「お待たせしてすみません」
『いえ、私も今着いたばかりですから』
大人の挨拶をした私たちは、タクシーで
彼の自宅マンションへ向かった。
タクシーの中で、私達は近況報告をした。
私は、金曜日に南さんと鉢合わせをして以来
彼に一切連絡はしていなかった。
南さんは土曜日に1回、そして1時間前にも
電話をしたが、応答がなかったと言った。
姿が見えない彼と動いていない車
彼の自宅マンションに着いた私たちは、
まず、彼の車があるか確認しに行った。
彼の車は、駐車場に止めてあった。
次に、エレベーターで9階へ上がった。
彼の部屋の灯りは。。。付いていない。
念の為、玄関ベルを鳴らすが応答はない。
今日は日曜日。病院は休診だ。
当直か別の病院のアルバイトへ行った
可能性も少ないと思われる。
だって、車が駐車場にあるのだから。
南さんが「車が動いてないように思う」と
言うので、再び駐車場に移動した。
確かに、金曜日の夜に停めた位置と
変わっていないように感じる。
ほんの少し、車が右寄りで停まっている。
車の表面にも砂埃がうっすら溜まり、
しばらく動いていないようにも見えた。
しかし動いていないという決め手がない。
私達は、もしこの後、彼が車を動かしたら、
動かしたことが分かるように、
車のタイヤと地面に印をつけて置いた。
婚活地獄
彼は、今、どこに居るのだろう?
とにかく、私達は、彼の自宅前で、
彼の帰りを待つことに決めた。
時刻は21時過ぎ。
夜風が気持ち良く頬を叩いた。
私達は、仲良く(?)並んで座った。
もちろん椅子など有るはずはなく、
マンションの共用廊下に体育座りだ。
途中、南さんが近くの自販機まで、飲み物を買いに行ってくれた。
「絶対に、日野さん(彼の名)を逃がさないでよ!」と仰せつかった私は、南さんが帰ってくるまで、玄関前で仁王立ちで待っていた。
するとしばらくして、エレベーターの扉が開く音がした。
彼が帰って来た!
そう思った私は、大慌てで
エレベーターホールに走った!
そこに立っていたのは!!
・・・・・・・。
ジュースを手に戻って来た南さん。
血相変えて走って来た私を見て、
お腹を抱えて笑っていた。
「だって逃がすなって言うからさぁ」
その後も私達は、いつ帰るとも分からない
彼を待ち続けた。
婚活したばっかりに、こんなことになった。
こんなことなら、婚活しなきゃ良かった。
婚活って楽しいと思っていたけど、
まさかこんな地獄が待っていようとは。
一向に進展なく、時間だけが過ぎた。
日付けが変わった頃、私が南さんに
「日野さんって、毎晩ここに
帰ってきているのかな?」と
訪ねると、彼女は突然こう言った。
「今夜は帰って来ないと思う。
恐らくだけど、
彼は海外旅行に行っていると思う。
たぶん、女と一緒にね。」